品川キリスト教会

品川キリスト教会

平松愛理

品川キリスト教会

平松愛理

2004年4月21日

★ セットリスト ★
0. アベマリア (注:パイプオルガンの弾き語り)
1. GIRLFRIEND
2. 素敵なルネッサンス
<MC>
3. MISS VERY WELL
4. 青春のアルバム
<MC>
5. I SING
<MC>
6. Midnight Sun
<MC>
7. 題名のないラブソング
<MC>
8. 待ってもいいよ
9. 思い出の坂道
10.追伸
<MC>
11.部屋とYシャツと私2004
12.月のランプ
13.Single is Best!?
14.マイ・セレナーデ
<アンコール>
A1.YOU ARE MINE
<アンコール2>
<MC>
A2.Crescent Moonshine

★ レポート ★

BONさんのレポートも併せてどうぞ♪

 記念すべき2004(平成16)年4月21日、ファン待望、いや何よりも愛理さんご本人待望の復帰ライブが行われる事になった。題して「YOU ARE MINE ~待っててくれてありがとう~」、文字通り愛理さんの気持ちが込められたタイトルである。会場となったのは一風変って品川キリスト教会で、この理由は後ほど明らかになる事となる。  FC経由で入手したチケットの入場整理番号は141番で、基本的には場内は自由席であるとすることであることから、今夜のライブも比較的前方の良席でそのステージぶりを楽しむ事が出来そうである。今夜のライブ開始予定時刻は午後7時となっていたが、これに先立ち6時30分頃から整理番号順での入場開始となる。然るべき順番となり、勿論これに協力して中に入る形である。もぎりを受けた右手側でCDの販売をしていた。 『CDの購入を後回しにして場内に先に入れば、良席も期待できるかも?』 と思ったが、一方で限定で付いてくると言うおまけ(キーホルダー)にも食指が動かされて、購入を待つ列に加わって、本日発売のニューシングル「YOU ARE MINE」を購入した。  そして場内へと移動する。ある程度は抜かされた形となるのであろうが、それでもフタよりも先に入場されたのは200人程度であろうか?、結果、ステージ向かって右手側、前から7列目と言った位置をキープする事が出来た。座席の座り位置に関しては入念にその場所を選んだので、もし愛理さんがセンターで歌われても、キーボードに座っての弾き語りで歌われても、視界的に問題無さそうである。  しばし場内にはオルゴール風のカーペンターズの調べが流れ渡る。言わずと知れた愛理さんに多大な影響を与えたナンバーの数々である。

 予定より遅れる事しばし、7時20分過ぎに場内が暗転する。そしてバージンロードにのみ照明が灯されて、後方からここをしずしずと歩いて愛理さんの登場となる。赤いドレスを身にまとい、どこか緊張した面持ちである。そのままステージに上り、一番奥にある、パイプオルガンに座り、演奏をはじめる。聞き覚えは無いが、どこか温かみのあるナンバー、後で愛理さん自身の口から、「アベマリア」と言う曲名であった事を教えて貰った。  そのままパイプオルガンから立ち去り、ステージの中央へと移動。スタンドマイクを用いた形で、「GIRLFRIEND」を披露する。歌詞の中に、『十字架に見抜かれている~♪』と言う部分もあることから、栄えある復帰ライブに教会を選んだ事と絡めて、このナンバーを選曲したのかな?と感じたところである。

「みなさ~ん、こんばんは~!平松愛理で~す!!」 と元気に挨拶をして、すかさず「素敵なルネッサンス」を披露する。ノリのイイナンバー故に、1曲目は静観気味だった場内からも、自然と手拍子が巻き上がる。これに呼応するように、狭いながらもステージを右に左にと移動して、歌の披露を続ける愛理さんである。 「改めて、お久しぶりです。平松愛理です。今日、この日を迎えられて、感無量です。みんな待っていてくれてありがとうございます。」 「何故、復帰のライブに教会を選んだのかと、よく訊かれました。それは、とてもスペシャルな日だからです。これからの私の心と身体が前向きな覚悟をするために、十字架の前にしてみました。ライブでは変わっているかな~?椅子が痛かったら、横になってもいいですよ(笑)」 相変わらずの平松節は健在だ。しかし愛理さんのお気遣いにも関わらず、今日は超満員のお客さん(報道の発表によれば500人とのこと)で場内は埋め尽くされており、とてもではないが横になるような状況ではなかったし、ましてや一生懸命に歌われている方の前でゴロリと横になると言うのも失礼な話である。 「今日は変わった編成です。素敵なゲストも来ております。家族の方も、娘を含めてちらちら…。」 ここで気が付きました(遅)が、ステージにはご主人の清水信之氏の姿も見受けられました。 「記念すべきに日に立ち会っていただきまして、ありがとうございます。最後までよろしくお願いします♪」 場内から割れんばかりの拍手が巻き起こり、 「分厚い拍手は嬉しいです♪」 と、復帰の手ごたえを感じられているご様子。 「選曲も迷いましたよ~。後ろから来るとは思わなかったでしょ?」 とチャメケたっぷりの愛理さん、 「パイプオルガンで演奏したのは…(略)…19番アベマリアでした。」 と、オープニングの補足が入るも、「…(略)…」の部分はカタカナばかりで、ちっとも聞き取れませんでした(汗)。申し訳。です…。

「次の曲は、そうですね~、女性はミス、ミズ、ミセスと分かれていますが、どんな時にも納得して生きて行ける…、そんな曲です。」 として「MISS VERY WELL」を披露。歌いだし、若干歌いそびれたように見受けられたが、ブランク故か?あるいは緊張感のせいか?そういえばMC中にやたらと咳払いをしていたのが気になったところです。  同じく前フリのMCで、 「1989年2月21日にデビューしました。そのデビュー曲です。」 として紹介された「青春のアルバム」も併せて披露される。力強い歌詞がとその意思が印象的なナンバーだけに、一点を見つめたままで歌いこめる愛理さんの姿が印象として残った。

 2曲歌い上げたところで深々とお辞儀をする愛理さん、 「歌詞を間違えてしまいました…」 と事後報告。 「このままわすれたままだと明日の朝になってしまうので、2番から歌いました」 との由。ドンマイ、ドンマイである。 「今日はなるべく次の一歩を歩きたい。湿っぽい話はしたくない」 としながらも、2年前の渋谷公会堂での休養宣言を振り返る愛理さんである。今夜は復帰ライブであり、この話をせずには、次の話に進む事が出来ないと言ったところであろうか? 「2年前の4月11日渋谷公会堂でのライブなんですが、どの位の方が来てくれました~?」 残念ながら愛理さん曰く分厚い拍手とはならなかったが、それでも場内のあちらこちらから挙手や拍手が起こる。 「あの時休養宣言したのですが、ダブルアンコールで歌おうとした時、歌えなかった。涙で・・・。今日は後ろの人たちと一緒に、ちらほら家族のいる中で、…、」 急に照れくさくなったか、 「2人でステージに立つ事なんて無いんですよ~。今日が最後だと思います」 とフォローの愛理さんである。 「ごめんなさいと言う気持ちを込めて、明るく歌いたいと思います。昔から、やっていたことがあって、いいことは右手で、嫌なことは左手で数えていたんです。そして最後は右手が勝つようにするんです。2年前麻酔が切れて左手が1cmも動かなかったときは、幸せを探すのが右手でよかったなぁ~と思いました。もう1日頑張ろう!!って思ったのも右手のおかげ。復帰するに当たり、えっ?、今日は復帰している日?ゴーイングオン?キーピイングオン?、復帰するに当たり、CDの発売も決まり、宣伝など先駆けてやっています。中には病気をネタにするのはいかがなものか?、ともいわれました。ですけど、癌になろうと思ってなった訳じゃない。現実はそんなに甘くない。子宮内膜症と絡めて、14年間の何かが伝わればいい。私の気持ちが届いてくれると信じています。思った事、感じた事を歌にして、作って、受け取って貰えるのであれば嬉しいです。これからもよろしくお願いします。」 勿論場内は暖かい拍手に包まれ、愛理さんからも 「本当に熱い拍手ありがとうございます」 と、感謝の言葉が飛び出す。 「平気に見えるかもしれないけれど、すっごいドキドキなんです。」 と、愛理さん、 「8回の手術を経験してきたこの身体で、みんなに届くように歌いたいです。今まで歌ってきた意味、これからも歌う意味を伝えたい」 として、「I SING」の披露となる。  2年前の渋谷公会堂でのライブに参戦させてもらったフタは、従来宛がわれていた座席は2階後方であったにも関わらず、悪席にいてもたっても堪らず、座席に比較的余裕があったことから、早々に2階最前列へとその座席位置を移動して、その夜のライブに参戦していた。ツアータイトルは「おひさっ!」。文字通り久しぶりに愛理さんとの再会を素直に喜び合う趣旨であった筈のライブであったが、愛理さんからの病気の告白、そして休養宣言、場内が水をうったように静まり返ったのをつい昨日のことのように思い出す。愛理さんも仰られているように、涙ながらに熱唱されたあの日のライブでの同ナンバーの披露は、聞いているこちらまでもが心打たれてとても辛い思いをしたものである。あれから2年、今夜の歌声、しかと聞かせて頂きました…。

 場内が暗転し、キーボードの前に座ろうとする愛理さん、慌ててセンターに移動し、 「すいません、キーボードに座ろうとしてしまいました。ここで一言しゃべる事にしていました。」 と、平謝りであった。 「お腹にいた頃に公表できなくて、赤ちゃんへの深い、熱い、姫やかな、知られざる愛を歌ったら…、不倫の歌になってしまいました(笑)8年前に生まれた初一音(ハイネ/愛理さんのお嬢さん)に歌います」 として、「Midnight Sun」を披露する。ここでも歌詞が飛んでしまう光景が見られた。何とか必死に思い出そうとメロディを辿る愛理さん、それをじっと見つめるファン達、そして最後には苦笑いの愛理さんであった。そしてファンからは暖かい拍手、その拍手はいつも以上に大きな音で聞こえた。

 今度こそキーボードに座る愛理さん、 「失礼しました」 と一言ペコリ。 「思えば3歳の時始めて曲を作って、詩を乗せて歌ったら、周りの大人やお友達にすごーいと喜んでもらえました。小学生の時兄はカーペンターズが大好きで、私が弾き語りをしていると、兄はギターを弾いていました。2人でよくカーペンターズをはもったりしました。完璧すぎですね(笑)。昼ドラチック?常に原点を忘れないでいたいです。忘れないためにも、CDに入っていない曲を、今後もライブの時、ツアーの時など、みんなに発表していきたいと思います。」 場内からおぉ~!と、賞賛の声が上がる。 「どうでしょうこのアイディア?ドレスを着ると、おしゃべりもしっとりしますね。ドッカンと行きたいです。椅子の都合もありますしね~」 と、客席を気にされる愛理さんである。 「KOBE MEETINGで一度、ファンクラブツアーで一度やりました。タイトルがありません。なので、「題名のないラブソング」としました。」 として、「題名のないラブソング」を披露した。  愛理さんはそのように仰るが、昨秋に行なわれたFCイベントでも同ナンバーはハワイでのFCツアーで出来上がったものだとして披露してくれたものと記憶しているところである。歌詞中に「××の味がしない…」とする部分があり、この「××」の部分をコーヒーにしようかワインにしようか多数決で決めようと言う事になり、結果ワインが採用されたと言う経緯があった。

 1曲歌い終えた愛理さん、曲のタイトル「題名のないラブソング」がなかなか言えずに戸惑うシーンも見られたが、ついで 「ここで素晴らしいゲストを紹介します♪」 として、本日のゲスト、佐橋氏の登場となる。フタ自身同氏の事は存じ上げなかったが、どうやら松たかこの恋人でおられるようだ。後にネットで調べたところ、音楽プロデューサーでギタリスト、山弦のメンバーでおられる、佐橋氏であるとの事だった。松たかこの師匠的存在であったことから愛が芽生えたと言うのは、補足トリビアである(笑)。 「今日は、松たかこさんはいらっしゃらないんですか?」 と、ズバリな質問をぶつける愛理さんであった(笑)。愛理さんがキーボード、佐橋氏が後方でスタンバイしてのフリートークが展開され、顔を見合わせる事無く会話が進んでいくと言うのが少し変わった景色である。 「1時のテレビに出ていましたよね?」 と、佐橋氏。実はこの日愛理さんは1時からフジテレビ系でOAされている「ごきげんよう」に出演されていたのであるが、 「身体はここにあったんですけれどね~、謎です♪」 と、録画である事をネタバレトーク。 「ここだけの内緒の話、3日分いっぺんに撮っているんですよ~」 と、ネタバレついでに裏話を披露。3日分の撮影にも関わらず、1日分と1日分との収録の時間の間が10分しかなく、その間に着替えを済ませるのが大変だったとの由。加えてお客も入れ替わっていたので、驚かれたとの事だった。ちなみに本日のOAではミズモリアト氏風の大きな帽子を被っていたとの事だった。  愛理さんと佐橋氏の出会いは深く、神戸時代に佐橋氏が「うぐいす(?)」と言うバンドで演奏に来ていた頃に遡ると言う。 「清水さん(注:愛理さんの旦那、清水信之氏)は高校の2つ上の先輩で、譜面の書き方から、カンニングの仕方まで教わりました。」 と、佐橋氏は思い出を辿る。 一緒にセッションをしたこと、思い出話から 「年取ってないよね~」 なんて、お約束のトークも飛び出す。 「美し都のレコーディングの時に、佐橋さんがギターを担当して下さったんですよね。あの日は全壊してしまった実家を壊す日だったので、よく覚えているんです…」 と、愛理さん。 「あれからずっとKOBE MEETINGをやっているのですが…、来てくれた人っている~?」 と質問を投げかけてみれば、ちらりほらりと場内から拍手が起こる。 「凄~い!!」 と、この拍手に素直に喜んでくれた愛理さんであった。 「それでは今日は、じゃぁ~、精霊流しを…」 との声もあった(おはずかしながらも、精霊流しと佐橋氏の関係が分からないのです…(汗))が、 「折角なのでこの曲を…」 として、「待ってもいいよ」を披露。季節感が溢れる素敵なナンバーですね。ついでやはり弾き語りのスタイルで「思い出の坂道」を披露する。文字通り言葉を綴り語るように歌い上げる愛理さんの姿が印象的であった。  続く「追伸」ではキーボードの演奏の代わりに赤い星型のタンバリンを持ち出して曲披露する愛理さんの姿が見受けられた。2番目に好きな人と一緒になると言う事の気持ちを描いた、愛理さんらしい1曲である。

「最近テレビに4日連続で出ているんですけど、「ごきげんよう」とか見てくれましたか?」 と、愛理さん、すいません、すっかり見そびれてしまいました(汗)。加えて徹子の部屋も見そびれてしまいました。こんな事でファンとしてやっていけるのでしょうか…? 「明日(注:2004年4月22日)はうたばんに出ます。」 おぉ~!それならば、今度こそしっかり録画しなくては!! 「うたばんでは歌を失敗してしまったんですよ~。先に言っとくけれど、怖いもの見たさで見てください…」 と、どこまでも謙虚な愛理さんである。 「中居君に石橋さんがカラオケルームみたいな近さで見ていて、変な気分でした。歌が大変な事になるし…」 と、苦笑いの愛理さん、 「そうだ、ここでメンバー紹介をします」 と、MCはメンバー紹介へと移る。  特にメンバーの名前を記録した訳では無いのでここでは詳細は割愛させて頂きますが、フリートーク風にメンバーの紹介をしていたのが新鮮に映ったところであった。特にご主人の清水さんを紹介する段階にあっては、照れのようなものも見受けられ、これも併せて新鮮な印象を覚えたものであった。

 その流れからMCは「部屋とYシャツと私」の裏話へと続く。 「あの曲は一筋坂スタジオ(?/…と、聞き取れましたが…?)でレコーディングしたのです。最初はアルバム曲だったのですが…。ちょっと変わったテイストで、2ヶ月かかって作ったんですよ。レコーディングの最中に発表したら、反対されたんですよ。平松愛理らしくないって…。『いつの日かコングラッチュレーション』(ちなみに同ナンバーは未発表との由)にしようとか言われて…。悔しくて、トイレにこもって、壁を蹴ったんです。非常階段に座って泣いていたら、守衛さんがやってきて慰めてくれた。」 この守衛さん、オチから言うと実はただ帰りたかっただけらしい(笑)。守衛さんに声を掛けられた愛理さん、 「ここにいてはいけない」 と、2階の階段から3階の階段へと移動して泣いていたら、 「本当に大丈夫?」 と更に尋ねられたとか。 「ここは守衛さんのエリアだったか…」 と、更に4階に移動して泣いていたら、 「帰りたいんだけれど…」 と、言われてしまったとか…。 「あの2ヶ月はなんだったのか~!」 と、思いつつもレコーディングスタジオに戻ったところ、清水さんが部屋Yを聞いてくれて、 「平松愛理っぽいじゃん!!」 と、言ってくれたと言う。結局その一言で、後の名曲のレコーディングが決まったとの事で、 「あの一言が、なかったら、平松愛理は…、もっと凄い平松愛理になっていたかなぁ~?」 と話をまとめていた愛理さんである。部屋Yはその後アルバム曲として収録され、有線を中心に2年かけてジワジワとその人気を博していく。 「曲が一人歩きしていた」 と、愛理さんも語るように、それこそ人づて、口コミで部屋Yは広まっていった。それ故に愛理さんは不安を覚える事もあったようだ。実際歌っている姿が映し出されて、 「なんだこいつかぁ~、と言われたらどうしようかと思った。じゃぁ~、CD予約したけど返品しちゃえぇ~みたいな(笑)」 と、チャメケたっぷりの愛理さん、今だからこそ笑って振り返る事が出来ると言ったところであろうか? 「今日発売の復帰のCDはダブルA面になっています。この曲がこの曲があったからこそ…と、感謝しております。」 こうして愛理さんの分岐点を象徴するナンバーが再び装いも新たに登場、「部屋とYシャツと私 2004」として、今夜リニューアル披露となった。アコスティック調にまとめられたアレンジは、あくまで原曲の雰囲気をそのままに、暖かさを加えてパワーアップした印象を受けた。

 ここで一度ステージから降りる愛理さん、その間メンバーが華やかなイントロを奏でて場をつなぐ。すばやく白のTシャツに黒のパンツと言ったシンプルないでたちへと着替えた愛理さん、前奏が流れ場内が温まったところで登場、その勢いをそのままに「月のランプ」、「Single is Best!?」と続けて披露する。いずれも愛理さんを代表するシングルナンバーである。両手をクリップし、手拍子を促す愛理さん。ドレス姿に比してやはり動きやすさが倍増したのであろうか?更に元気度がパワーアップした印象である。

「どうもありがとうございました~!!次が最後の曲です~♪」 として披露されたのは「マイ・セレナーデ」。平松ファンであれば既に会得しているであろう、「パン、パン、パン、パ~ン、パン♪」と言う手拍子が印象的なナンバーである。  曲披露を終えた愛理さん、メンバー同士で手と手を取り合い、そのまま2度万歳。場内から割れんばかりの賛辞の握手が巻き起こり、手を振り応える愛理さんである。

 そのままステージを降りる愛理さん。場内が暗転してすかさず愛理さんの再登場を促す手拍子が巻き起こる。この手拍子が図ったように揃っていて、聞いていても心地よい。  しばし間を置いて愛理さんが再登場、アンコールとして本日発売になった愛理さんの最新シングル「YOU ARE MINE」を披露する。控えめな照明がステージに当てられるが、これがまたいい雰囲気をかもし出している。一文字一文字を大切にして、語りつくすように歌い上げる愛理さんである。思えば今までは愛理さん自身が弾き語る形で披露されてきたと記憶している同ナンバーであるが、今日はメンバーがピアノを演奏を担当し、愛理さんはマイクスタンドを用いての披露となった。あくまで愛理さんの歌声がメインと言ったところであろう。再び愛理さんは袖に下がり、そして再び愛理さんの登場を促す手拍子が巻き起こった。

 ダブルアンコールで登場する愛理さん、加えてご主人の清水信之氏の姿も見受けられる。ラストナンバーはご夫婦での披露と言う形になりそうである。今まで文字通り二人三脚で歩まれてきたであろうお二方の、新たな出発を祝うに相応しいシチュエーションであろう。 「皆さん、どうもありがとうございます。マイクスタンドも左手で移動できるようになりました。」 と、実際左手でこれを持って見せる愛理さん。先程左手が不自由になったと言う話を披露されておられただけに、愛理さんの回復ぶりは実に頼もしい限りである。 「もうみんなでやれる曲はありません。古い曲を演奏してもらおうかと思います。今日は上弦の月でしたね。三日月ですね。私はつきにこだわって作曲してきました。太陽と月、どっちを選ぶかと言われれば、月を選びますね。」 曰く、太陽は全てのものに影を作るが、月は全てのものを暖かく包み込むものがあるからだと言う。 「渋谷公会堂でのライブはこの曲で締めましたが、この曲の感想の合間、客席をゆっくり眺めて一人一人の顔を見て、「次はいつ会えるのか?」と思って歌いました。また会うことが出来て、凄いと思う。来てくれて、本当にありがとうございます」 愛理さんへの思いが銘銘交錯した拍手のアラシが巻き起こり、しきりに照れ笑いの愛理さんである。  愛理さんの胸の思いは、愛理さんを追い続けてこられた日テレのスタッフ氏一同や、勿論愛理さんを影に日向に支えてきた家族やスタッフにも感謝の気持ちとして伝えられる。話しているうちに感情が高ぶってこられたのであろう、涙を隠しきれない様子であった。  万事は前向きな覚悟を以って望まれた今夜のライブ、最後は渋公での思い出も込めつつ、清水さんの演奏に支えられ、涙ながらの「Crescent Moonshine」の熱唱で幕を閉じた事であった。  終わってみれば9時30分、およそ2時間10分、完全燃焼、愛理さん、完全復帰のライブであった。

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