2005.11.15 duo MUSIC EXCHANGE

2005.11.15 duo MUSIC EXCHANGE

平松愛理

2005.11.15 duo MUSIC EXCHANGE

平松愛理

2005.11.15 duo MUSIC EXCHANGE

★ セットリスト ★  朗読「スタート」(詩集のP24に収録)
1.DEAR MY BABY
<MC>
 朗読「大切なギフト」(詩集のP26に収録)
2.一緒に遊ぼう
 朗読「幸せの意味」(詩集のP10に収録)
3. ごきげんよう
<MC>
 朗読「愛とは」(詩集のP80に収録)
 朗読「ソバニイルヨ」(詩集のP76に収録)
4.あなたのいた夏
5.友情
<MC>
6.プレリュードホ短調(ピアノ演奏)→夢よ、時よ、街よ、友よ、心よ
<MC>
 朗読「たったひとつ」(詩集のP90に収録)
7.お別れのうた
8.ROSEの花束
 朗読「神サマのくれたチャンス」(詩集のP48に収録)
 朗読「前を向いて」(詩集のP88に収録)
 朗読「気づいたこと」(詩集のP6に収録)
9.朝のホームで
10.ウサバラ・DE・東京
<MC>
11.蒼い芝生
<アンコール>
 朗読「祈り」(詩集のP94に収録)
A1. YOU ARE MINE

★ レポート ★

 愛理さんが詩集『しあわせになろうよ』を発売されると聞いたのは、フタが前回愛理さんのステージを見た『平松愛理ライブ 社会福祉法人みのり福祉会10周年記念チャリティコンサート』での事であった。その折に詩を何篇か紹介し、

>「今度詩集が出ます。宣伝します。いいですか(笑)?
>9月中旬、PHP出版から「しあわせになろうよ」と言う本です。
>40の詩が入っております。40の詩、是非届けたいと思います。


と仰られていたのであったが、その後この詩集は無事出版の運びとなった。フタ自身忙しさにかまけて…と言う訳ではないが、この詩集の入手もままならず、 「あぁ~、機会を見つけて詩集を購入しにいかなくては…」 と、思っていたのであるが、これに先立ってFCからこの『しあわせになろうよ』の発売を記念してライブが開催される旨連絡が入った。題して『平松愛理『しあわせになろうよ』出版記念LIVE ~ハミング~』、恐らくは詩の朗読と愛理さんの素敵な楽曲が彩りを添えるステージとなることであろう。記念を冠するには一生に一度のステージとなることうけあい、これは是非一度見ておきたいものである。  FCから連絡を受けたとおりにエントリーを済ませ、チケット代6000円也の入金を済ませておけば、ライブ開催1週間ほど前であったであろうか?、チケットと引き換えが出来ると言うハガキが郵送されてきた。あとはライブ当日を待つのみである。

 こうして迎えた待ちに待った11月15日ライブ当日である。会場となったのは、渋谷のduo MUSIC EXCHANGEである。フタはこの春先に行われた星井七瀬ちゃんと、かようあいこちゃんの合同ライブ『Girls BEATvol.1 ~なっちゃん&あいぴー萌えナイト~』で同会場を訪れた事があり、今年2度目のduoである。  本日の開場が6時半、開演が7時となっており、今日は番号順での整理入場が予想されることから、遅刻はなるべくならばしたくないところであるが、そこは平日開催のかなしいところである。これが地方であれば会社からお休みを頂いて万全の体制で…と言うことになるのであろうが、都内でとなると、やはり日中は職務に従事しない訳にはいかない。夕刻の終業時間を告げる鐘の音が社内に鳴り響き、これにせかされる形で退社。そそくさと地下鉄に乗り込み渋谷へと移動する。 「東急文化村の裏手だろう?あそこならば駅から10分くらいだから…」 と、勝手に皮算用を行い、甘い考えが脳裏をよぎったのはやはり甘かった。あちらこちらで簡単に買い物を済ませ、 「ライブ中にお腹がグウグウ鳴るのも失礼なので…」 と、カレーハウスCoCo壱番屋でカレーの夕ご飯で腹ごしらえをしたのは、今となっては大間違えであった。そうこうしている内にすっかり時間は経過していき、 「やばっつ!?これって、ギリギリかも!!」 と、カレーをほおばりながら時計を確認しつつ、慌てて会場へと向かったことだった。  緩い坂をスタスタと上り詰め、会場に到着したのは6時55分過ぎであった。何とか滑り込みセーフ、まずは間に合ってホッと一安心である。  本来であれば整列入場が行われたであろうエントランスも今は数人の係員氏がいるのみである。送付されてきたハガキには『FC会員は優先的に座席が確保できています…云々』と記載がなされていたが、これは勿論開場時間である6時半に来られた方に限っては…と言う話であろう。受付でハガキと引き換えにチケットを受け取ってみれば、自身の整理番号はA-95番であった。後に聞いたところでは、Bと言うものはなく、その後はCになっていたようだ。  入り口でドリンク代600円を支払い、モギリを受けて早々に場内へと移動する。入って左手に 『なんでこんなところに?』 と、思わせる大きなコンクリートの柱が2本。その前にステージがもうけられている。前回はスタンディングのライブだったが故に殺気立つ雰囲気も見受けられた同会場であったが、今回は客席の側に座席が設けられている事から、落ち着いた雰囲気であった。既にセンター付近の座席は言うに及ばず、全体的に座席が埋まっていて、なかなかの盛況ぶりである。慌てて空席を探してみれば、何とかステージ向かって一番左手の前から2列目辺りに空席確保することが出来た。結論から言えば、フタの前の1列目にはお客さんが来られなかったので、実質的な最前列状態で有り難かった。  場内にはこれは珍しい「自分次第。」の音源が鳴り響く。愛理さんが自分自身の復活のために、既存の自分を投げ出すために『Hi-hats』名義で書き下ろしたナンバーの数々である…と、聞いている。従前の平松愛理とのあまりのギャップの相違に音源化に至ってはいろいろと苦心がおありになったようだ。過去一度しか『Hi-hats』はファンの前には姿を現していない(於:平松愛理 秘密の子部屋 ライブ@恵比寿GUILTY/2003.09.01)。愛理さんっぽさが殺がれたナンバーを愛理さんのモノとして捉えるか、やはりは『Hi-hats』のナンバーとして捉えるかは個人の受け止め方の問題かとは思うが、やはりフタはちょっと苦手かな…?と言うのが、正直な感想である。

 ステージには緞帳が設けられている訳ではなく、全体的な構成やら、楽器を調整する様が見受けられて面白い。座席に落ち着きしばし観察をする。  ステージは全体的に白を基調としたシンプルなもので、センターにはモニターが設けられている。ここには詩集のキャラクターエリマやら、ライブ中にはいろいろな風景やら物品やらの画像が映し出される。加えてメッセージも映し出されていたようであるが、角度が芳しくないために、全てを読む事は出来なかった。

 ステージ中央スクリーンの下にはキーボード、その右手には鉄琴が置かれている。ステージの左側には、丸いテーブルが置いてあり、この上にはトースターであったり、ティーポットであったり、或いは2つの四角いガラス細工を持った電気スタンドが置かれていたりする。数冊の本に、ノートなども置かれ、後のステージでは愛理さんのある日の様子を再現する場となる。バラの刺さった水差しなども飾られている。一方、ステージの右側には、公園などで見受けるようなベンチが置かれていた。最近の愛理さんのステージにしては随所に工夫が施してあるなぁ~?と言う印象である。

 入り口で頂いた桃色の冊子に目を通そうかと思ったところ、右ページにセットリストと思しきメモ書きが、愛理さん直筆の印刷物として書かれていました。う~ん。これってネタバレなのであろうか?それとも変更もありうるのであろうか?まずは参考までと言ったところなのであろうか?いずれにしてもこれをみてしまうと、フタ的には楽しみが半減してしまうので、ちらっと見て、中身を見るまでもなく、 「やばっつ!」 と、再度これを閉じておいた事でした。

 しかるべき時間となり、明るく照らされていた場内の照明が落とされる。映画館のように ブーーーーーーーーーーーーーーーッツ! と、ブザーが鳴り響き、まずはバックメンバーが登場、次いで愛理さんが登場して拍手が巻き起こる。  まずはセンターに設えられたマイクスタンドで詩の朗読をする形でライブはスタートする。「スタート」(詩集のP24に収録)と言う詩であった。今日の衣装、全体的にブラウン系でまとめた衣装で、ジャケットも、ロングスカートも、ブーツもしかりである。統一感溢れるものに仕上がっていた。

 ライブ1曲目は『DEAR MY BABY』からスタートする。フフフ~ン♪と、ハミングでの歌いだしを決める愛理さん、今日のライブのタイトル『ハミング』の趣旨どおりの歌いだしである。

 1曲終えたところでMCとなる。 「こんばんは、平松愛理です。平松愛理『しあわせになろうよ』発売記念ライブ『ハミング』にようこそいらっしゃいました。いきなりの演出でビックリされた事でしょうが、金縛りにあわないで下さい(w」 お客さんは別段凍りついていたわけではなく、愛理さんのナンバーに静かに耳を傾けていただけのような気もするところではあるが、一方でこれを静か過ぎると感じられたのかもしれない。 「今夜は普通のライブではありません。一夜限りのスペシャルライブをお届けしたいと思います」 愛理さんの今夜のライブに掛ける意気込みが次々に口をつく。 「パンフレットをお配りしたのですが、見ましたね?フランス料理店で出てくるようなやつで、すみません…。今日は私の代表曲はなく、残念です。すみません…」 なんだか、頭をぺこぺこ下げっぱなしの愛理さんですが、別段当方愛理さんに恐縮される覚えもなく、却って、『いやいや、愛理さんの曲は全てそのままに受け止めさせて頂きますから…』と、こちらまでもが恐縮した気持ちにさせられてしまう。そんな愛理さんの気持ちを総称すれば、 「今伝えたい気持ちを伝える事にしました」 と言うことになるのであろう。 「選曲に併せて、写真が出てきます」 これは旅行先やら、自宅の近くやらで、あちらこちらで撮りためしたもののようだ。これも愛理さんの伝えたい何かなのであろう。 「テーブルにベンチは下北(沢)で買いました」 との事で、ちょっと話が具体的過ぎて、笑ってしまいました。 「座席に混じってMCをしたい、四季、折々の服装をして、ステージで衣替えをしたい思ったし、最初のブザーも、DUOでブザーが鳴ったのは初めてじゃないかしら?ジャミロクアイもライブを行ったDUOで…」 今夜のライブは愛理さんの溢れるアイデアが凝縮されて取捨択一されたものなのであろうか? 「衣装は、ノースリーブからコートまで持ってきてリハーサルを行ったんですが、いい加減誰か止めてくれるだろうと思っていたが、誰も私の勢いを止められず…、やはりそれは止めて全て持って帰りましたが…(笑)」 ライブに至るまでの経過を楽しげに語る愛理さんであった。 「そんな自分に気がついて会えた感じがします。シェイプアップした感じかな?」 と、こんな言葉で話を締めくくっていたかと思います。

「ここでメンバー紹介をしたいと思います!!」 と、今日のライブを支えてくれる3人のバックメンバーが紹介される。今夜のライブへの成功と期待を込めつつ熱い拍手を贈る。 「私がデビューした時には代表曲も無く、最初に歌った曲はアカペラでした。『愛を届けたい』と言う曲です。客席の後ろから出てくると言う演出を考えたのは私です。」 話は初心を心に抱いていた、ファーストライブの頃へと移る。 「あとから、『平松は右手と右足が一緒に出ている』とスタッフから言われました。緊迫したあの瞬間を思い起こします…。」 愛理さんの思い出はデビューの当時をさらに遡り、子供の頃のものへと馳せる。 「3歳の頃だったかなぁ~。歌うと言うことに幸せを感じていました。『出来た!聞いて!!』と、フフフン~ン♪と、ハミングで伝えていました。ハミングが究極の楽器です。みんなが持っているものです。」 愛理さんの音楽は正にハミングと共に始まったといっても過言では無いでしょう。 「ハミングは元々嬉しいときに、悲しいときに、メロディーとして出てくるものです。メロディーが加わり口ずさんでいると、元気が出ます。音楽とはシンプルで純粋なものです。心に届くとエネルギーになります。」

 MCは『ハミング』記念発売と言うことで、この詩集の事へと進む。 「この度初めて言葉だけで、40個のメッセージを書きました。詩だけの表現は衝撃的で、泣いたりしましたが、泣いた分だけいい作品に仕上がっています。今一度原点に返るライブを行いたいと思います。最後までゆっくりとくつろいで、お聞き下さい。」 かなり長めのMCからは愛理さんの思いがヒシヒシと伝わってくる。今夜はその一部、少しでもいいからそこから何かを感じる事が出来ればいいな…と、思う。

 「大切なギフト」(詩集のP26に収録)と言う詩を朗読した後、『一緒に遊ぼう』を曲披露する。柔らかい雰囲気のメロディーラインがフタは気に入っている。愛理さんも軽やかなステップを見せる。黄色い照明が柔らかさに輪を掛ける。一転間奏中は青のライトでビシッツと締める。

 曲披露の後、少し後ろへと移動する愛理さん、「幸せの意味」(詩集のP10に収録)と言う詩を朗読し、『ごきげんよう』を曲披露する。今夜はこうして詩の朗読と曲披露を織り交ぜながらのライブとなるようだ。鉄琴でイントロと間奏を演奏する愛理さんの姿は珍しい。青緑色の照明に丸いスポットライトが飛び交う。『ごきげんよう』と言えばコーラスが印象的なナンバーと言う気もするが、勿論これはなく、今夜は楽器で代用した形である。

 2曲続けたところでMCとなる。 「楽にしていいですよ」 相変わらずの静かな雰囲気の会場を察してか、 「今日は堅い感じで送っているからかしら?じゃぁ~、堅くいきましょう(笑)」 思わずも場内一同に笑いが起こる。会場も少しずつリラックスし始めた感じだ。 「私はある日から毎日お祈りをしています。」 ここでのMCは唐突な出だしから始まった。 「私は無宗教です。神様に祈るような事はしていないです。」 でも心の中にいる神様にお祈りを捧げているようで、 「ひたすら『ありがとうございます』とか、ひたすら『よろしくお願いします』とか…、あっつ、やはりお願いしていますね~」 愛理さんのほんわかしたMCはいつ聞いても楽しい。 「ある日と言うか…、」 MCの裏では次の曲への準備が完了したようで、 「順備は終わってますね?」 と、愛理さんが確認するも、MCはなお続く。 「今年の夏に近所のおばちゃんの家に、回覧板を届けにいったんです。その日熱を出していて、具合が悪かったんです。そうしたらおばちゃんが、『お祈りしてあげるよ』と言ってくれて、じゃぁ~、何月何日の何時に行くからと約束をしていたのですが…」 このおばちゃん、けして愛理さんと血縁関係がある訳では無いのであるが、愛理さんのためにお祈りをしてくれると言う実に親切な方なのです。ところが、 「その日その時間に外出しなくてはいけない用事が出来たんですね。そこでマネージャーに相談して、マネージャーに留守番を任せて代わってもらう事にしたんです」 そして愛理さんはマネージャーに留守番を託して所用へと出掛けた。 「…で、2時間後戻ってみれば、マネージャーが正座をしていてね~、おばちゃんも数珠なんか持っちゃって…。マネージャーは袈裟を掛けられて、マネージャーの何とか助けてくださいと言う、やられているマネージャーの姿を見て、久しぶりに強力なものを見たな!…と、思ったんです」 想像しただけでも容易にその光景が目に浮かぶ。 「でもね、マネージャーと、おばちゃんの気持ちがありがたく、早く元気にならなくては!!と、思いました」  お二人の気持ち、つまりは愛理さんへの祈りは、ダイレクトに愛理さんを刺激する。 「(そこで)自分の中にいたらいいなぁ~と言う神様に、毎日お祈りをしているんです。一日の作業に最適です。是非試してみてくださいね♪」 と言うまとまりで、MCは終了となる。

 センター後方に置かれたキーボードに座して、ここに置かれたランプシェイドに明かりを点した愛理さん、「愛とは」(詩集のP80に収録)「ソバニイルヨ」(詩集のP76に収録)と、詩の朗読をする。  続いて『あなたのいた夏』『友情』の曲披露へと繋がる。後者は一人のみでのステージングである。オレンジのライトが暖かい。ベリー系の果実であろうか?が、モニターに映し出される。

 2曲終えたところでMCとなるが、これは趣向を凝らしていて面白い。ステージ左手のテーブルに座して、 「私の普段をお見せします」 と、一言。どうやらステージの上でいつもの愛理さんを再現しようと言う試みのようだ。 「ハミングです。ルルル~♪」  ランプを付けて、 「お茶を入れて、本でも読もうかしら。私不眠症なんですよね~」 などと独り言を言いながら、愛理さんの日常生活を紹介していく。テーブルの上にはいくつかの本が置かれている。その中の一冊を手にしてみれば、 「『しあわせを呼ぶ催眠フィーリング』…?歌手の感情移入の無い曲を聴くと良い…、…?、ビートルズ?本当に?」 口に出して実際に書物の一部を読んでみる。感情いっぱいこみ上げる愛理さんとは対照的なこのコメントに苦笑いである。 「感情が入っていない方が人のためになるのかしら?」 と、一人ポツリ。ある意味の自虐ネタなのでしょうか?フタは感情の無いよりもこもっている曲の方が断然好きですが…。  もう1冊の本にも手を伸ばす。今はやりのHG(レイザーラモンHG=住谷正樹)の本で、表紙を見せると場内からどっと笑いが起こる。愛理さん自身、サイトでの日記にも記されていたように気になる存在の方であるようだ。ここでいきなりトースターからガシャ~ン!!と、トーストが出て来た。不眠症云々と言うことで、深夜だと思っていただけになぜ?と思ってみたが、これは夜食なのだろうか?? 「渡辺美里や平松愛理のような女性が好きだ。必要以上に女性らしい人を求めてしまう…」 「この人最近、私のことを紹介してくれているんですよね~。笑いの金メダルでしたっけ?でも出ていたらしいですね。」  淡々とコーナーが進んでいくのかと思いきや、突然、 「平松フォ~!!とか、やっているのかしら(笑)」 なんてふっと言ったりするので、思わず笑ってしまう。 「案内状、吉本に送ったんだけれどなぁ~?来ないですかねぇ~。忙しい方ですからね~。腰大丈夫ですか?って、書いたんですが…」  余談ながらあの腰振りは子供の発育によくないと、某教育機関か何かから待ったが掛かったとか、掛からなかったとか…? 「一度会いたいですね~。あなた誰?って感じですね…」 本を読んでいてインスピレーションが働いたのであろうか? 「詩が思いついた…」 と、『携帯作詞セット』なるものを取り出す。 「最近のフレーズ…、あなたにずっと…、熱い心、…、…?、小林明?」 「熱い気持ち… 強い気持ち…」 こうして愛理さんの歌詞に散りばめられた素敵な歌詞の数々は誕生していく事であろう。その裏舞台を垣間見た感じがした。 「『ザノートブック』(…と、聞き取れましたが、正しいかどうかは不明)って映画を見ました。古いピアノを弾くシーンでショパンを演奏しているんです。私の曲に似ている…、って、思いました。恐れ多いなって…(笑)」 「本当は似たものを作ったと言う事に気が付きました。自分に感動したのかもしれません。 影響して自分の表現として出てくる…」 部屋での一風景の再現はMC調のものへと変わっていく。

「私の部屋へ戻ります」 として、左ステージのテーブルからセンターへと移動し、キーボードに備えられたランプシェイドの明かりをつける。 「テレビで、「この曲は私しかひけない」と言う表現していました。」 なんて話をしていましたが、残念ながらどなたがテレビで話をされていたのかは失念してしまいました。 「私はピアノは上手く弾けないけれども、私にしかないショパンがある。プレリュードホ短調、少しだけ聴いてください」 として、同楽曲を弾いいてみる。その流から、 「この曲に影響された曲を弾いてみます」 として、『夢よ、時よ、街よ、友よ、心よ』を曲披露する。なるほど似てはいるのかも知れないが、どちらもオリジナルのナンバーに相違は無い。似て非なるものと言う表現が一番相応しいかもしれない。拍手が巻き起こり 「あっ、どうも」 と、ちょっと照れ気味の愛理さん、 「こんな風に出来たんです」 と、結論付けておりました。

「一番最近書いたのは先月です。未発表曲です。本職の崩場さんに来てもらいましょう」 と言うことで、キーボードの方が再び登場となる。愛理さんはそのままセンターのマイクスタンドへと移動する。 「譜面あります?」 と、崩場さんに確認する愛理さん、 「急遽やる事になりました。自宅録音以来ですね~。」 と、本邦初披露の同ナンバーを前にその心中を語る。 「その前に朗読を…。「たったひとつ」(詩集のP90に収録)」 と、まずは詩の朗読を行い、その後次いで崩場さんの伴奏で未発表曲の披露となる。先程頂いたチラシを後になって確認してみれば、『お別れのうた』と記載されていました。現時点では仮題のようです。  歌詞をみながらの曲披露であるが、やわらかいメロディーが強さを覆い包み増幅させる。とてもメロディーラインだけを辿れば『お別れのうた』と言う曲名は思いつかない。

 再び左手へと移動した愛理さん、再度テーブルのランプをつける。ここで『ROSEの花束』を披露。座りながらの曲披露である。テーブルの水挿しに挿してあったバラを外して、ペンのような仕草でいじる。紫のライトがステージを彩る。最後は水差しへ再びバラをさして終了となる。

 右手のベンチへと移動し、「神サマのくれたチャンス」と(詩集のP48に収録)言う詩を朗読する。ここで一度はけていた3人のメンバーが入ってくる。  「前を向いて」(詩集のP88に収録)と言う詩の朗読を行い、ベンチから立ち上がり、センターのスタンドマイクの下へと移動する。スポットライトが当てられて、「気づいたこと」(詩集のP6に収録)と言う詩の朗読が行われる。  一連の詩の朗読に続いては曲披露となる。全体の曲数は少ないのかもしれないが、聞かせる詩の朗読が随所に盛り込まれているので、非常に満腹、満足感を覚える。而して披露されたのは『朝のホームで』であった。  右手のベンチに座っての曲披露、黄色いライトにスモークが写る。ワルツ調でありながら、「明日死んでもいい位…」と、どきりとさせられる歌詞が印象的なナンバーである。オーラスで「YOU ARE MINE」を歌うことになるのであるが、これをさておき、この歌が今夜一番良かった  続くはちょっと珍しいナンバー『ウサバラ・DE・東京』であった。思えばここに来て本日始めてのシングル曲である。手拍子を催促してセンターへと移動、その後軽いステップを踏みながらも、右へ、左へとステージを移動する。 「何でハチ公~♪」 と、いかにも渋谷らしい選曲であるが、何より愛理さんが渋谷公会堂で休業宣言して以来の渋谷に戻ってきてくれた事が素直に嬉しい。

 締めのMCとなる。 「今日は本当にどうもありがとうございました。自由な発想を受け止めて下さいました メンバーに、スタッフに、お客さんに感謝します。最後はこの曲です。」 として、新曲『蒼い芝生』を披露。緑のライトは芝生を連想させる。愛理さんらしいさわやかなナンバーで、フタは素直に好きです。

 最後の曲披露が終了と言う事でメンバーは一度引き下がるものの、場内は照明が落とされたままである。今日のライブの成功を湛える意味で続いていた手拍子がアンコールを招くそれへと変化する。  この拍手に後押しする形で、まずはバックメンバーの3人が、次いで愛理さんが再登場する。まずは「祈り」(詩集のP94に収録)と言う詩を朗読し、ラストナンバー『YOU ARE MINE』を披露する。今日の趣旨メッセージを伝えると言う意味ではけして外すことの出来ないメッセージソングですね~。感情が入り込み、ミキサーをちら見して、音量を調整してもらっていました。感情が高まるにつれて、スタンドマイクの位置を前へと移動させるなど、愛理さんの気持ちがこもっている様子が随所から感じえられた事でした。

 最後は愛理さんを支えてくれた多くの方に拍手をしてライブ終了。愛理さんの詩集のイラストを作成して下さった方や、いつもそばにいてくれるお嬢さんの初一音ちゃんにも拍手を贈らせて頂き、大成功!感無量!!の賛辞の言葉そのままにライブは終了と相成った。

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