アネモネ

ボカロ

アネモネ

平松愛理


アネモネの花が咲いた頃
あなたは私に言った
あそこに行ってはいけないよ
君は僕のそばでいい

アネモネの花が咲いた頃
私はあなたにいった
素敵だから手に入れたい
摘んで私のものにしたい

夢は遠いほど美しいのさ
手にしたらただの現実だから
そう言うあなたが臆病に見えた
眺めるだけの夢はいらない
私は叶えたかった
そしてあなたふり切って
独り触れた花
戻れなくなった

アネモネの花が咲いてから
二人は変わっていった
一緒に居てとても違った
同じ未来じゃなくなった

夢は心にあればいいのさ
手にした瞬間から過去になる
そう言うあなたが小さく見えた
あの日春の空にうろこ雲
今はビルが喰い込んで
何度目かの冬が来る
あの頃の花は
いつしか枯れた

手の届かない夢で今はいい
ただ枯れずにあればそれでいい
昔の恋に今教えられる
人は何か気づかされた瞬間
やっと生まれ変われる
格好悪くたっていい
私らしい花
咲きますように
私らしい花
咲きますように

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