はじめての一歩

平松愛理

握った手離したらこれっきりになる
力ゆるめた途端今日までの時間が
過去になった

助手席を降りたら　突き上げる鼓動で
最初のキスと同じ　心臓のにおいした

ここはいつも待ち合わせた路地駐車場
今までいくつ季節変わるのを
一緒に見てきたの

去ってゆく背中を　そこから見ていてね
その心に私　残してて欲しいから

さよなら本当に愛したひと
互いが全てになりすぎたね
二人生きた日々から
今はじめての一歩

何 か少しの妥協を許さないくらい
完璧な恋の形が私達を壊したの

小さな諦めを　余裕にできるような
誰かとしか二人　幸福になれないの

いつかそれぞれ自分の人生見つけ
私にとってあなた昔の思い出に変わる頃

もしすれちがっても声をかけないでね
この路地のあなたが　一生私のもの

ありがとうこんなに愛せた人
どこより私でいられた場所
ひとりの空の下は　夜が降り積もってる

さよなら本当に愛した人
互いが全てになりすぎたね
ありがとうこんなに愛せた人
どこより私でいられた場所
ひとりずつの夜空に　今はじめての一歩
あなたのいない明日へ　今はじめての一歩