駅のない遮断機

ボカロ

駅のない遮断機

平松愛理


坂道の途中にある
この小さな遮断機に 駅はない
通りすぎる 電車の影
私いくど 見送ってきたでしょう

この坂道 登りきれば
あなたへとやっとたどり着ける
嘘つきで 浮気な彼の
上等な ラブコール 
見抜いてるのに

ここはあかずの踏み切り
必ず待たされるの
通過する度 風圧の中
微笑んでいれば 開くの

気まぐれな そのやさしさ
すがるなんて 私らしくないのに
本当に おちる恋は
しようとして
出来るものじゃないわ

丸い石の間からは
青かった 草につぼみが咲き
いつしか覚えてしまった
学生の制服も あなたのせいね

駅のない遮断機から
あなたに近づくには
開いた時だけ この坂道を
登っていくしかないのよ

ここはあかずの踏み切り
待ちくたびれたって
きっと私は あなたにとって
最後にたどり着くはずの
終着駅よ

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