ウサバラDE.東京(短編小説作BON)

短編小説

ウサバラDE.東京(短編小説作BON)

ウサバラDE.東京

(ウサバラDE.東京!フ!)

多恵は歌い終わるとマイクを机に置く。

はあー。気持ちよかった!
ひとりカラオケ、まじ最高!ああ、そろそろ9時か。
そろそろだな。

多恵はスマホいじる。画面に女性が見える

多恵、真帆!元気?

真帆、どこ?どこにいんの?

多恵、一人カラオケ。

真帆、あ、いいね。一人カラオケ。気分転換?

多恵、聞いてよ、真帆!もう。

真帆、何、何?

多恵、コロナあけでやっと 裕司くんと会えると思ったのに!なんとか障害で、対応で残業するはめになって!自分、それでも30分で あがらしてもらって、急いでデート場所にいこうと思った矢先、裕司からラインがあったんだけど!

真帆、だけど?

多恵、障害じゃ、今日のデートはオアズケだね。今度またねって!いま向かっているって書いたのに、障害の対応大切にしたほうが、 いい。今、仕事あるだけ、有り難いんだから。いって

真帆、まあ、間違ってないな。多恵、今の派遣、まだ半年でしょ。足元固めないとね

多恵、わかってるよ!わかっているけどさ!ストレスたまっちゃって、一人カラオケよ!わかってよ!

真帆、はいはい。でも多恵、本当に変わったよね。10年前はキャリアウーマンになるんだっ、ていって頑張って 一流企業に就職したのに、半年前、ぷつっと辞めちゃってさ。派遣に移って、時間から時間までの割り切り仕事。

多恵、常谷が悪いのよ!

真帆、あーパワハラの常谷ね

多恵、あいつさえいなければ、あたしだって、あそこ辞めることなんかなかったよ

真帆、まあ、いるからなー一人ぐらい強烈な奴が

多恵、あいつは絶対、忘れない。物語かいて公開してやるんだから!

真帆、でもその一人の為にキャリアウーマンを捨てた

多恵、昔はビジョンあったの!花形といわれる部署で、プレゼンしてるできる肩書き女

真帆、まあ常谷いるかぎり、できないとかいってたもんね。そのビジョン

多恵、あいつは潰すことしか考えてない

真帆、そうそう、おじさんの演歌でも手拍子して、愛想ふりまいて。

多恵、みんな無駄。もうさよなら!もう、肩書きなんかより、そこそこ働いてそこそこ給料もらって、そこそこ生活 することに決めたの!

真帆、まあ、今、正社員は少なくて派遣のほうが多いもんね。それもいいかもね

多恵、もう、裕司と結婚して、そこそこの人生歩んでいくんだから

真帆、それもいいかもね

多恵、と!想ってたのに、コロナで会えないし!コロナあけたのに、なんちゃら障害で残業してあえないし、 やってらんないよ

真帆、それでカラオケなの?

多恵、女のバランス保つには3つの場所が必要なの!恋とそこそこの仕事と憂さ晴らし!

真帆、一人カラオケいいね!

多恵、でしょ?

真帆、まあ、いいじゃない。ドリンクぐらいあるでしょ?リモート飲み会しよっ

多恵、いえ~い!憂さ晴らししてやるぜい~

真帆、ははは、うっせーわ

多恵、ははは

ウサバラDE.東京

仕事のあとのビールはのどにくるね
今日も歌おうかな エコーぎんぎんで
さすがにブチ切れても 社内スマイル
たてついて家賃払えないの馬鹿らしい

なんだかんだで30分デートに遅れて
地下鉄上がって見たメール
「コンドマタネ」となんでよハチ公
音程とれない おきまりのNUMBER

上に気遣い 下に愛想つかい
恋に見放され
今宵ウサバラ・DE・東京

カラオケのレパートリー底がつきて
おじさんの演歌 手拍子してる
思えば入社の頃 抱いたVISION
持ち続けるには重過ぎるジョッキの泡
尽 くしてクビとぶ時代
本当の理想は肩書きもあるいい女
こんな筈じゃない
叫ぶ代わりに
廻りが飽きても おんなじNUMBR

Uh- 仕事して私を磨き
Sa~ 恋愛で女磨く
そしてBa~ 捨てきれぬ明日のために
La~ 今日の憂さ今日はらす

女は2つの顔もちこたえるには
3つの場所が必要なの
恋と仕事とそして憂さばらし
いい加減迷惑 又 このNumber

店から出たら爽快 彼に携帯
楽に謝れるまでが
ウサバラ・DE・東京
星なんかみちゃう
これがウサバラ・DE・東京
ウサバラ・DE東京
ウサバラ・DE 東京
ウサバラ・DE東京


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