パパママごめんね

平松愛理

星も踊るクリスマスイヴに
携帯が鳴って着信表示みてFM大きくした
「人が大勢ほらにぎやかでしょ？
今パーティの真っ最中　うん　すべて順調よ」

パパママごめんね　嘘をついてます
独りのクリスマスを　かくすの
なんか親孝行な気がして

毎年今日はお茶の間にケーキ
初めて恋をした１６から帰りを待たせたね
上京したてはすべてが自由で
それは実は待つ人いない孤独だと気づいた

今 年のケーキは２人じゃ余るね
あんなに反対された夢は
ここでも変わらず　吹きさらし

夢じゃお腹すくことを知って
深夜と早朝バイトに追われ本末転倒です
今日は町にビラ配りのサンタクロース
ぶつかってきたから生まれて初めて
サンタをにらんだよ

パパママのおもう娘じゃないけど
泣けてくるからふんばってると思う
これだけは本当の気持ち
パパママ、サンタが同じ目してたよ
来年はきっとうまくいってる
そしたら必ず帰るから