NEW バレンタインズデー

BON作

平松愛理

NEW バレンタインズデー

平松愛理

友情(短編小説昨:BON)

三月は団地の一室の扉を開ける。玄関は暗い。三月は小さなため息を ついて、玄関の明かりをつける。「静かだな。この部屋」そう言うと 靴を脱いで、居間へと向かう。サラダまで作る元気はない。だから、 一人用のカップサラダをコンビニで買ってきた。三月はサラダをコンビニ の袋から取り出し、テーブルに置いた。上着を脱いで、冷蔵庫を開ける。 ほぼからっぽである。そうあまり買っていないから。ちょっと魔法のように ものが増えていないかなとふと思ったが、自分は今一人であることを思い出していた。 見覚えのないものを探そうとしても冷蔵庫にはなかった。

「タマネギと挽肉と卵だけはある。ピラフでも作ろう。」 三月は冷凍してあるご飯と肉と野菜を取り出し、調理を始める。 ピラフになりたいを口ずさみながら、フライパンを動かす。

そういえば、啓吾は調理がうまかったな。このピラフの作り方も彼に教わった。 そんなことを考えながら無心にしゃもじを動かす。ああ、そうか。 昨日疲れて、洗い物をしていなかったな。皿はフライパンでいいや。このまま食べちゃおう どうせ、一人なんだしいいでしょ。三月は自分で納得するように独り言を言う。

テーブルの上に濡れぞうきんをおいて、フライパンを置いた。これでいいや。食べちゃおう。 そこそこ啓吾のおかげで、料理はうまくなったが、孤独が三月の表情を暗くしている

。 三月はフライパンを皿かわりにして、ピラフを食べはじめた。そしてサラダも。 半分ぐらい食べたところで、ため息をつき、ぼーと前方を見る。1つのアイテムがあるのを見つけた。 マリンシャープスである。啓吾が好きだったすごく辛い香辛料である。三月はそれを手にとった。

2週間前まで、この部屋には啓吾がいた。玄関開けると、マリンシャープスが香った。 三月は辛いものが苦手でマリンシャープスには手が出せないものだったが、この匂いがすると 啓吾を思い出す。あの日は、豆乳スープスパゲティを作ってくれた。 そう、豆乳スープがピンク色になるまで、マリンシャープスをかけて食べていたね。

「僕はこのピンク色になったスパゲティが好きなんだ。食べてみる?」
「あたしは白いままでいいや。あたしには白の味がしっくりくるの」
「ははは。まあ、これは僕だけの嗜好品ってことか」
「でもこの豆乳スープ旨いね。そうそう、彼女できたんだって?おめでとう」
「ははは三月に言われると照れるな。最初、僕が居候しようとここに転がり込んだとき、 君はとても嫌そうな顔してたじゃないか。」
「そうだったっけ?・・まあいいや。そんな君にプレゼント。ショートケーキ買ってきたよ。」
「おお、ありがとう。辛いもののあとで、甘いものか。」
「私、甘党なんで。」
「そうだったね」
「いろいろあったけど、1年いろいろありがとう。助かったよ」
「それはこちらの方。洗濯や掃除、料理もしてくれていたし」
「またお互いの過去の恋バナもね・・夜更けして議論したりしたりして」
「そういう日あったね。ビール何本ここで飲んだか」
「まあせいせいするわ。合鍵を作ろうと思っていたけど必要なさそうね」
「男女の友情なんてあり得ないなんていうけど、うちらはそれが確立できたのは大きいね」
「そうだね。今日で、それもしばらくお休みかな?」
「そうだね、ここに入り浸っていたら、誤解されて振られちゃいそうだから」
「じゃ、啓吾の未来を願って。乾杯」
「乾杯。それと永遠の友情の握手」
「いいね」

二人は長く握手を交わす。

いけない。ピラフが冷めてしまう。三月はスプーンでピラフをすくう。 あれから2週間。長いようで短い2週間。 ふとラインの音が鳴る。啓吾かな?と思ったら、職場の同僚からだった。 少し期待した私が馬鹿だった。あれから2週間、啓吾からラインがない。啓吾らしいといえば 啓吾らしい。でも、当たり前のようにいた啓吾の存在が、いつのまにかあたしのなかで 大きくなっていた。あたしも啓吾に負けてらんない。幸せにならないと。

三月はマリンシャープスにめがけて独り言をいう。 ここに来るときは連絡して。冷蔵庫いっぱいにしとくから。

友情ー平松愛理

嫌そうな顔 君にして見せたけれど
本当はそうでもなかったんだよ
君の荷物が私の部屋に増えて
友達の約束ない夜にくること

君とはなしていると 普段を忘れて
ここが別の空間になるみたい
冷蔵庫 開け おぼえのないもの見ると
私は独りじゃない気分になる

恋愛じゃなくても 癒せるんだね
人ってやっぱりすごいんだね
君が彼氏じゃなくて本当によかった
だって終わることがないんだもの

不便だから合い鍵つくろうかなって
そんなこと思いはじめてた頃
君の荷物とここ来る夜が減って
そうしてとうとう君は恋を見つけた

誰もこなくなると 部屋は散らかるね
炒飯はフライパンがお皿になった
冷蔵庫には期限切れのままのもの
私は前よりもっと独りになった

さよならと明るく見送ってる
助手席に彼女を乗せた車
ポケットの合い鍵 渡さず良かった
だって誤解されちゃ 困るもの

恋は人の心全部さらっていくね
友情はあとまわし
だって君は来やしない・・・
来やしない・・・・・

彼女との生活慣れることに
君は忙しいだけ 変わってないよね
もし遊びにくるなら ちょっと電話して
空の冷蔵庫を一杯にしとく

平松愛理

あなたのいた夏

(短編小説 作BON)

組み立て式倉庫のようなだだっぴろいフロアに男性が2人、女性が2人 黙々と仕事をしているようだ。ようだ。というのは、男性は二人とも、 スマホいじって動画を見ているからだ。今日は日曜日、管理者は不在である。 男性らも夕方ぐらいまでは作業をしていたが、17:00も過ぎる頃になると もう真面目に仕事などしていない。それを横目に果歩はしらけたような 表情しながら、タブレット端末をみている。 果歩「これはもうバッテリーが寿命きているわね。バッテリーとりかえるかなんか しないとだめね」 優香「ああ、そうなんだ。じゃあ、私、梱包して、A便で送り返しちゃうね」 果歩「お願いします」 優香「了解、あ、でももう17:40分か、明日やろう。明日、もう帰ろうよ」 果歩「はは、定時まであと5分あるでしょ」 優香「果歩はいいじゃん、明日、代休でしょ」 果歩「そうね、今日は代理出勤だったからね」 優香「果歩は最近、プライベート忙しくなさそうだね。前、結構、なんとか交流会、 フェイスブックの?で、帰りばたばたしてたのに。写真もばしばしとってさ、 インスタとかあげてたのに最近どうしたの?」 果歩「ああ、なんかね、疲れちゃってね。元々、副業やる為に、写真やる人と繋がったけど いろんな交流会出て、なんか意味あるのかわからなくなってしまって」 優香「ああ、あるあるだね。友達を増やす為の交流。でも友達になっても関係は薄いみたいな で、人数が増えてチャンスはあまりなく、お金がかかるみたいな」 果歩「2,3人でいいんだよなーと思ったらめんどくさくなってきてさ」 優香「そういうわけか。最近、仕事も結構残業してるみたいだし」 果歩「一人家で、飲んでもね」 果歩のスマートフォンが揺れる。果歩は、スマホを見る。少しの間、果歩は固まる。 優香「ははーん。その2、3人からきたのかな。お疲れ様。私は帰り支度するわ」 果歩「・・・お疲れ様」 果歩のスマートフォンには友達からのメッセージが書かれていた。 「今日あの二人はあの店にいるよ」 果歩はゆっくりと「わかった、ありがとう」と返した。 しばらく果歩は動かないでいた。優香が声をかける。 優香「定時だよ。お疲れ様」 果歩「お疲れ様。」 無表情に果歩は優香にコトバを返す。優香は部屋をでていく。他の男性二人もスマホにイヤホンしたまま 帰り支度をして、無言で部屋を出る。 果歩はゆっくりと立ち上がり、帰り支度をする。そう、本当は副業は、実はあまり真剣に考えていなかった。 ただ、あの時、私は仕事を頑張ると思っただけ。忘れようとするだけの。 旧友からのメッセージに、心揺さぶられる。あの店。そう、この職場からあの店は歩いていける。 やっぱりあなたに逢いたい。いくらその恋が叶わぬものであったにしても。 果歩は荷物もって、倉庫の電気を消して、カードをかざす。そして外に出る。 今日は8月31日、まだ、外は明るかった。夏の終わり静かな夕方。 あの二人は必ずテラス席にいるはず。旧友からのメッセージで読み取った。 この時間ならあの通りならば、必ず、私を見つけられるはず。 計算しながら、歩く。店の前をゆっくりと歩く。 和美「あ、もしかして果歩じゃない?果歩ー!」 果歩「あ、あれ?和美?あ、晶哉さんも」 晶哉「果歩、久しぶり。ちょっと寄っていかない?しゃべろう」 果歩「あ、いいの?お邪魔じゃない?」 和美「全然」 果歩「じゃあ、失礼して」 果歩は指がかすかに震えてるのを隠して、テラス席へ行く。 逢いたかった。晶哉さん。さわやかさは変わらないな。 和美「あれ?今日、彼は?」 果歩「仕事」 晶哉「日曜出勤か」 果歩「そうなの」 彼なんかいない。架空の彼がいたほうが、あなたに逢えるからそうしてるだけ 心が叫んで、でも表情は変えない。 ウエイトレスが注文とりにきて、コーヒーを頼んだけどとても飲む気分になれない。 和美「ここはパンケーキが美味しいんだよね」 そういいながら、パンケーキを切って、晶哉の口の傍までもっていく。 和美がいなかったら、今私はどんな気持ちなんだろう。 和美が、今日晶哉とどこにいったのか、楽しそうに話す。 果歩は、和美の話を聞いているふりをして、1年前のことを想いだしていた。 果歩と晶哉が二人で海にいったときの夏の日。あの日のことを想いだしていた あの時、ビーチで手を繋いでいたら、こんな運命にはならなかったんだろうか。 そんなことを考えながら。 ドラえもんがいたら、タイムマシンにのって、運命かえることできたかもしれないのに。 楽しくて辛い3人のデートはあっという間に終わってしまった。 ここは閉店が20:00. ここから駅はすごく近い。電車に乗る方向が、二人が別々の方向だったらよかったのに。 そしたら、晶哉と2人になれたのに。笑顔で二人を見送る先には涙。 今夜はお酒を飲まずにはいられない。自宅の最寄り駅のコンビニで、チューハイを買って、 歩きながら飲む。 ふと空を見上げると、流れ星が流れてた。何の為の流れ星。流れ星は夢を叶えてくれるんじゃないの? 叶わない状態を諦めるなというメッセージ? 叶わない恋を諦めないのも恋でしょ?・・そう解釈してもいいの。 果歩はスマホで去年の夏に撮った、晶哉との海のデートの時の写真を眺めていた

あなたのいた夏 <平松愛理>

このOpen Cafeは偶然じゃない
二人はあの店だよと聞いたから
呼び止められる道わざと歩いた
あなたにあなたに会いたかった

「彼氏は?」ときかれ
「今日も忙しい」って言って
すぐ飲むワインは味がしない
こうゆう嘘は3人で居る為に
必要だとおぼえた

実らない恋を
あきらめないのも恋でしょ?
幸せはいつも捜すためにある
そう自分に言い聞かせる
風に乱された
彼女の髪をひと筋
直してあげるあなたの指の傍に私はいる

下りのホームには笑顔の二人
混みあう上りで手を振る私ひとり
ジェラシーとあなたに背を向け気づく
私は誰ともつながってない

あなたと歩いた夏
あの帰り道で手を
つないでたら違ってたかな
どうして人は過去を振り向くのだろう
もう手遅れな夢ほど

誰か気づいたの?
今のあの流れ星
闇の末にあるネオンが吸い込んだ
私の祈りを待たずに
あなたの窓から
地上の縁は見えない
こぼれてひとりまたたく気持ち
届きようもないけど

実らない恋を
あきらめないのも恋でしょ?
自分で作る幸せだってある
だって想いは殺せない
あなたと会える孤独なら
ひとりで抱えて生きていける
こんなに誰か想える気持ち
あなたが教えた恋という窮屈を
私は生きていく
しっかり生きていく

平松愛理

恋愛の光と影

(短編小説 作BON)

恋愛の光と影 お洒落なカフェテリア、たくさんの女子学生、男子学生が トレーにご飯やおかずをのせて、席に向かっていたり、 食事をして楽しんでいる。そうここは学食のカフェテリアエリア シルフ。皆が優雅に食事を楽しんでいるそのエリアで、卓美は 2人用のテーブルの椅子の所で、一人、ジャスミンのペットボトルを 開けて、一口飲むと、クロワッサン1つを食べている。 自分は心が優雅だから、いいのよという表情をしながら。 卓美はテーブルに1枚のプリントを出す。そして真剣に眺める。 瞳がトレーをもって近づく。あ、まずいと卓美はプリントを隠す。 瞳は、ここ空いてる?と聞いてきたので、5分間だけならと咄嗟に言った。 大丈夫よ。隠さなくても。だいたいわかっているから。卓美マネージャー そう瞳は言うと、もう片方の椅子に座った。 照れ隠しに、何が?といってみたものの、瞳は微笑んでいるだけだった。 そのプリントは、1年生の祐樹くんとのデート計画? 違うわよ。合宿のプリントよ。といってみたものの、顔が熱くなるのを感じた。 瞳はささやいた。卓美は、祐樹君と出逢ってから確実に変わったよね。 前はなにかにいつもいらいらしている目つきだったのが、最近優しい表情になった。 そ、そうかな?皆によく言われるけどそうなのかな。と目をそらしていう。 あ、デート資金の為に、お昼節約してるのね。あたし、応援するわ。 瞳は自分のトレーに置いてあるカップのポタージュスープを卓美の前に置く。 あ、大丈夫だよ。と、いってみたものの、瞳は立ち上がり、小さく、ファイト。と声を かけられて、無口になってしまった。素直じゃないな。あたし。 あ、祐樹君、きたから私、もういくね。と瞳はトレーをもって去っていく。 カフェテリアの入り口付近で、うろうろしている祐樹が、卓美を見つけて、大きく手を 振りながら近づいてくる。皆見てるよ、恥ずかしいなと思いながら、笑顔を隠せない私。 卓美マネージャー、お疲れ様です。ここ座っても宜しいでしょうか。といいながら、 頭を下げる。、内心私はびくびくしながらも、余裕を見繕ってどうぞ。という。 あー緊張してきた。手が震えてるのを隠しながら、プリントを祐樹に見せる。 今日は祐樹君にとって大事なお知らせ。祐樹君は今年1年生で、今後大学の水泳部の 未来を担っていく大事な人なの。だから、今週末、日曜日、須磨海岸にいって、 私マネージャと1対1で特訓するの。いけそう? 海ですか?一人ですか?真剣な顔で、プリントを見る。彼は何と答えるだろう。 ドキドキしながら回答を待つ私がいる。 ぜひ行きたいです。あ、でも交通費が。 交通費は、部が負担します。と咄嗟の嘘が出た。あたしって。 部が負担してくれるんですね。あ、じゃ、喜んで。あ、でも待って。確か、日曜日は他のメンバー に合コン行こうって誘ってきてたような。 あ、新田君のこと?彼はもう4年生でもう水泳部はほぼ引退状態な人だから。 そっちの方に行きたいの? あ、大丈夫です。特訓受けます。新田先輩には特訓受けるから出れないといいますね。 あ、ちょっと待って。卓美は頭抱える。 この子はピュアっていうか、この意味わかっていないんだろうな。そんな君が好きだけど。 どうしたんですか?頭痛いんですか。薬ありますよ。 大丈夫、大丈夫よ。新田君は私からいっておくわ。祐樹君は言わなくて大丈夫。 じゃ、他のメンバーにはいっていいですか。 それは、全部、マネージャーの私の仕事だから。大丈夫よ。 わかりました。祐樹は笑顔で答える。その笑顔見て内心ほっとしながらも心配事が増えたと思った。 ばれたらどうしよう。この子、デートとは気づかずに、誰かに言ってしまうかもしれない。 あーもういいや。ばれたらその時はその時だ。よし。でも鈍感な君に一言いっちゃおう。 あたしはね、祐樹君のこと見ていたいの。 あ、嬉しいです。あーわくわくするな。どんな練習メニューをやるのかな。 あーもう、とことん水泳鈍感バカんんだからもう。 卓美は瞳がくれた、コーンポタージュを飲む。祐樹は黙って卓美を見る。 祐樹くん、お昼食べた? うん。脂身のない鶏肉と卵とプロテイン飲料。 いつもそんなんじゃ、お昼楽しくないでしょ。 卓美は鞄からシュークリームのスイーツを取り出し、祐樹に渡す。 あ、1つは多いんで、はんぶんでいいです。そう? 卓美はシュークリームを半分にちぎって、祐樹にあげる。 祐樹は嬉しそうに食べる。この笑顔がたまらなく好き。 でもあたし、釣った魚に完全に餌あげてるかも。嬉しさと困ったが交差する。 日曜日の須磨海岸は、雲が多いけど日は照っていた。まるで、嬉しさと不安の 両方の気持ちを表した私の気持ちを表すように。 彼はこれはデートと自覚して来ていないかもしれない。デートと知った途端 怒ってかえってしまうかもしれない。着替えてくるといってかえってきた君の姿は 水泳の練習にきました、そのものだもの。 今日の練習メニューはどんなのですか?と聞くから、私は心決めていった。 今日のメニューは、私に水泳を教えること。 はい?ととぼけている頬に向かってキスをした。 当然ながら、彼は硬直している。 私はシン呼吸しながらいった。 私は今日限りで大学の水泳のマネージャーを辞めて、君のマネージャになります。 ・・僕のマネージャになってくれるんですか?ありがとう。 でも、僕は水泳しかやっていないから水泳しかわからないかも。 大丈夫。そういうと思った。 あたしは、ずっと、こんな気持ちが続いていくんだろうな。 あたしはあなたと出逢ってから、ずっとこんな気持ちだもの。

ー恋愛の光と影ー(平松愛理)

あの時 君と出会わなければ
どんなに世界はたいくつだったろう
君と話さなければ
すべての悩みは 存在しなかったのに

アリとキリギリスでいうとしたら
全くキリギリスだよ
君の笑顔がどうしても見たくて
バイオリン弾き続けてる
いつか弦が擦り切れて
メロディのない冬が来る
恋はまるで光と影
君を想うほどつらくて楽しい

あのまま 君を知らなかったら
ずっと自分が一番だったろう
君を好きにならなきゃ
もっと毎日を楽に過ごしていたのに

最近 目つきがやさしいねって
周りに言われるけど
わずわらしい人間関係よりも
君のことだけみていたい

そばにいて欲しい君の
幸せ君にしかはかれない
恋はまるで光と影
プラマイゼロと知ってても割り切れないよ
幾度も 恋はしてきたか らね
Easyに愛誓うヤツは嘘っぽい
君とずっと一緒の未来の
一つ二つ誓ってくれていいのに
あの時 君と出会わなけ れば
どんなに世界はたいくつだったろう
君と話さなければ
すべての悩みは 存在しなかったのに

平松愛理

待ってもいいよ

(短編小説 作BON)

狭い空間にパソコンが4台となりあわせに並んでいる。瑞希は、マウスを動かし、 自分の動画を再生する。よし、と小声でいい机にある缶コーヒーを飲み干す。 机においてある、スマホが振動する。 瑞希はスマホをみる。涼介からのラインである。 瑞希はラインを読む。 今日、夜暇?俺と表参道歩かない?いつ帰ってくるかわからない人のことは忘れてさ。 瑞希はため息をついて、ささっと、返信する。 今日、残業。瑞希はちょっと荒くスマホを机においた。瑞希は動画を眺める。いや、もう頭の中は、 仕事のことを考えてはいなかった。隆二のことで頭がいっぱいになっていた。 恐る恐る、今一度、瑞希はスマホを手にとる。 そして、下方にスクロールした。隆二のところで手がとまる。 日付は2016年12月15日となっている、もう1年連絡しあっていない。 隆二との会話履歴を読む。そう思いだした。彼の気持ちを確かめる為に、 敢えて自分からラインをしないでいたことを。 いつ帰ってくるかわからない人のことは忘れてさ。亮介のこのLINEで気づいた。 気持ちが鮮明に戻ってきた。

社長の江崎幸助が、部屋に入ってくるなり、瑞希に話かける。 どう仕上がった?。冬なのに、ラフな姿で珍しい社長だ。 瑞希は慌てて、スマホを置く。「あ、できてます」 「見せて」社長はいうと、再生されていた、動画をもう一度最初から流す。 「・・・・・ん。悪くないね。さすが瑞希さんは仕事も早いしセンスもいい。 これだったらお客さんに満足してもらえるだろう」 瑞希は微笑んで、「ありがとうございます」と、気分を隠す。 時計は15時を回っていた。江崎幸助は腕時計を見る。 今日はもういいだろう。え?と瑞希は社長を見る。 最近、残業続きだったろう。うちは成果物裁量性を重んじる。 今日はもう、かえっていいよ。あ、給料は普通に出すから気にしなくていいよ。 私は今日、これをお客様に納品しにいく。

え?今日、もう帰っていいんですか? 瑞希は心の中で喜んでいた。もう気分は仕事ところじゃない。 帰っていい?という言葉を聞いて、となりの部屋から、男が入ってきた 俺もかえっていいの?社長。社長の表情は変わる。 聞こえなかったか?うちは成果物裁量性だ。田中さんは自分の納品分は 終わったのか?田中さんはちぇっといって別の部屋に戻る。

瑞希は帰る支度が整って、待っていた。 納品物のデータはメモリーステックに入れておきました。 そういって、瑞希は江崎幸助に渡す。

じゃ、かえっていいよ。お疲れ様。うちは5人しかいないからな。 こういうことができるのは小さい会社だけだよ。

瑞希は軽く会釈して部屋をでる。 ビルを出て、瑞希は自動販売機で缶コーヒーを買う。 今はやりの、コーヒーペットボトルは目もくれず。瑞希のスタイルは 変わらない。そして、左手に缶コーヒーを持つ。何故かこの癖がいつのまにか 身についてしまったようだ。そう、これは隆二のくせであった。

瑞希は鞄を左肩にかける。そして右手で、先ほどの隆二のラインを 見つめていた。書こう。

瑞希は一度、缶コーヒーを左ポケットに入れて、隆二にメッセージを送る。 「渋谷にいつ帰ってこれますか?」

すぐに返信は来ないだろう。だって隆二は外国にいるのだから。

瑞希はスマホをしまい、缶コーヒーを左手に持って、歩き出す。 風が強い日だった。目の前で、コンビニのビニール袋が空中で くるくる舞っている。そう、まるで、それは私の状態。 仕方ない状態のなか、自分が空中で振り回されている。 自分ではどうしようもない、この状態。

瑞希は歩きながら、1年前、最後に隆二に会ったときに言われた言葉を 思い出していた。「会社の命令で俺はアジアを回ることになったけど、 必ず、渋谷に戻ってくる。この任務は誰もやりたがらないから、報酬はいいんだ。 必ず戻る。資金貯めて戻ってくる。帰ってきたら、俺はその会社を辞めて お前と結婚して、お前と会社おこそう。そうお前が好きな動画制作の会社さ それまで、瑞希は今の会社で腕を磨いてくれ」 「・・・いつ戻ってくるの」 「2年だ。2年間の辛抱だ」

あれから1年経った。あと、1年のはず。私は敢えて彼の言葉を信じ 弱音はかずに、LINEを送らずにいた。わからない。外国で、いい人と 暮らしているかもしれない。そんな気持ちが走って たった今、ラインを送った。

109が見えてきたところで、瑞希は、あることを思いついた。 予定のない帰り道、彼と過ごした思い出場所めぐりにいって自分の気持ち を確かめること。そして、彼の好物だった、渋谷のたこ焼き店で、たこ焼きを 買って、まずは、隆二とよくいった代々木公園に行くことに決めた。

公園では、親子ずれや若いカップルでにぎわっていた。瑞希はベンチを見つけ 先ほど買った、たこ焼きを食べながら、人間観察をした。 そうそう、このベンチだった。隆二がここで人間観察をしようってボーと眺めて たこ焼きをたべたっけ。春のあたたかい日だった。 ふと、カップルが自転車に乗って追っかけっこしている。 あたしたちもやったなと思って見つめていると、なぜか涙が流れてきた

瑞希は秋に渋谷の東急ハンズで買い物して、彼が荷物もってくれたことのことを 思い出していた。また、瑞希は渋谷に戻り、今度は東急ハンズへと向かう。 あの時は家に観葉植物を飾ろうという目的で、木材用具を買ったっけ。 瑞希はその売り場へと向かう。そこにはまだ同じ木材が置いてあった。 ただ違うのは隆二がいないということだけ。

外が暗くなっていた。ちょっと寒い、瑞希はマフラーを巻いた。 瑞希は隆二と夏に神宮で花火見た日のことを想いだして、表参道から あの日のように、神宮まで歩いた。あの日は二人とも、浴衣来てた。 今は12月、表参道はイルミネーションが街を輝かせていた。 心の中で瑞希は花火を見た。

いろいろ見て歩くうち、いつの間にか渋谷の街は0時を回っていた。 そこは空き缶とギターの国、路上で歌う、シンガーを2人で眺めていたっけ。 ふと、隆二がそこにいた気がした。でもいない。いないんだよ。 まだ涙が流れてきた。渋谷の街は雪で包まれていた。

自分の気持ちを確かめる為に、隆二と過ごした季節を回って気づいた。 まだ、あたしの中にはあなたがいることを。 もう帰ろうと、スマホを見た。 隆二からの返信があった。

「あと1年。1年で必ず、渋谷に戻ってくる」

瑞希は涙を流して、返信をうった。

「待ってもいいよ。」

<待ってもいいよ><平松愛理>

予定のない帰り道 雑踏から空みたら
星があなたより近くにあった
缶コーヒー左手に もつこのくせ 
うつったまま
それが唯一 あなたがいた証拠

路上の駄菓子の 袋が風に
逆らえず 舞うのを見てる

ねえねえ あなたから 
私はいなくなったんだね
だけどまだ私にあなたは ずっといるよ
あと一回ずつなら待ってもいいよ
夏の花火と 春の雷と 秋の北風と 雪

午前零時の渋谷は 空き缶とギターの国
駅降りてそこはアジアのどこか
後姿があなたに 似てる胸を抱いた夜
翌朝私をやめたくなった

あなたを好きで いようとするほど
自分を嫌いになってく

そうね 待つことを 
やめれれば楽になれるのに
ひとりぼっちもこんなにさびしくないはず
あと1回ずつなら待ってもいいよ
夏の祭りと 春の公園と
 秋の夕暮れと 雪

あの大きい手を 握ればどんな
人混みも まっすぐいけた

なんど ぶつかっても
 自分の足で歩きたいよ
これからは好きなことをもっと
 好きになる
でも1回ずつなら待ってもいいよ
夏の夕立と 春の霧雨と
 秋の枯れ葉と 雪

平松愛理

大人になったら

大人になったら(短編小説 作BON)

だだっ広い空間にブースで囲まれたエリア。恵里は ふと、向かい側のブースを見る。そこでは葉子が、 パソコンの画面をみながら、ヘッドフォンに話しかけて、なにやら打ち込んでいる。 薄く塗られた、葉子のルージュがしなやかに動き、あざやかに見えた。 全身、パープルで包まれた葉子のその姿が、まぶしかった。恵里は、自分のブースの方を向き、 パソコンでインターネット閲覧画面に切り替える。 画面の中に映る、脚本コンテストグランプリの一次合格者の名前を もう一度眺めるが恵里の名前はなかった。どうせ私なんか。と呟いて画面を閉じる。 仕事の画面に切り替わったその画面は無機質に 表示される。葉子は、入力が終わり、ヘッドフォンをとって恵里の方へ向く。なにかあった?葉子は いつもしゃきしゃきしている。 なんでもない。恵里はそう答えると、ゆっくり立ち上がり、管理者の方向に向かう。

小川さんすみません。と恵里がいうと、書類に判子を押しながら、 どうしたという。小川はいつも、遅くまで残業している。 その彼に逆らうように、言った。すみません。先ほど電話がなり、 祖父が亡くなった知らせがきたので、明日、明後日休みます。 そういうと、恵里は下を向いた。小川は早口でいった。そうか、 わかった。じゃあ、あべかんに記入して、チーム内にメール送っておいて。 気おとさんようにな。彼の言葉は優しい響きだったが、恵里には 無機質に聞こえる。もう、6時になる。今日は早く帰っていいよ。 戻ろうとする恵里にこの言葉が聞こえたので恵里は振り返りざまお辞儀をした。

恵里は自席に戻り、パソコンで、休暇申請をする。 そして休暇通知のメールを送った。そしてなにかに 逃げるように帰り支度をする。 葉子はその様子に気づいて、恵里に話しかける。 身内の方なくなったんだって?気を落とさないでね。あなたの案件きたらやっておくわ。 紫に身を包んだ葉子は聡明すぎて、恵里は少し目をそらしながらいった。 ありがとう。と。どうせ葉子にはこの嘘なんてすぐ見抜くだろうと思いながら。

ビルをでても、いつものように家にまっすぐ帰る気にはなれなかった。 同棲中の保治さんを心配させるかなと思いながら、いつもの方向とは逆の方向に 歩きだした。ふと、近くにコンビニがあったので 缶ビール二本とつまみをかった。おやじみたいと 呟いたものの声は空へと消えていった。

ふと、公園をみかけ、ひとりベンチに座る。 缶ビールをあけて、飲む。ため息をついて見上げた 空は少し雲っていた。そして通る曇にたまに隠されながら現れる、 淡い色の三日月。なんか今の心境に フィットすると恵里は感じていた。 そしていかの乾きものの袋をとりだしていたときに あってはいけない人にあってしまう。

あれ、あれ?恵里さんじゃない? はっと気づいて見上げたら、先ほど働いていた、 紫で身を包んだ葉子だった。 なにかを隠すように葉子にいった。 あ、あ、ビール飲まない?つまみもあるよ。

仕事で見る、いつもの葉子とは違い、穏やかな 表情で、じゃあ、少し付き合おうかな。という言葉がかえってきた。 焦るように、葉子に缶ビールを 差し出すと、葉子は受け取りゆっくりベンチに座る

はやく帰ってあげないと、保治さん心配するよ。 葉子はそういうと缶ビールをあけて、一口飲んだ。 この時点で恵里は負けたと思った。完全にずる休みがばれたと悟った。 けど葉子はそれを言わない。

照れ隠しで、いかのつまみを葉子に差し出す。 葉子はちょっとつまんで口に入れる。 少しの間、沈黙が続く。なんとかしようと恵里は 話し出す。ちょっと前に、フラワーショップ 開きたいって葉子ちゃんいってたね。どうなった? 葉子は自信の表情でいった。明日ね、FBで知り合った仲間と フラワーアレンジのワークショップやるの。 今の仕事でだいぶお金貯まったし、もうそろそろ次のステップいけそう。

ちょっと悔しいと思った恵里は言い返してしまう。 私もね、今回のコンテストの一次を通過してさいさきいいの。 葉子は微笑んでいった。お互い頑張ろうね。 そうだね。と笑った恵里は心の中で空虚だった。 私はなんて大人げないんだろう。 葉子は握手を求めてきたので、強く握手した 私はなんで、形だけ大人ぶるのだろう。 葉子はビールを飲み干していった。

ごちそうさま。さて、早く帰ってあげな、 保治さん、あそこで一人しょんぼりブランコに 乗っているおじさん状態になってるかもよ

二人は笑うと、葉子は立ち上がり、去っていった。 一人になった恵里は、スマホをとりだし、昔、 撮った恵里の映る動画を見た。 そこにはまだ中学生の恵里が将来の夢を語っていた。 中学生の恵里はきらきら輝いていた。

<大人になったら 平松愛理>

大人になったら すごい満月より
少し欠けてる月が安心なの
大人になったら 晴れわたる空より
曇ってる方がちょうどいい日がある

大人になったら 元気な人よりも
たまにしょげる人といるとほっとする
大人になったら 足元遠くなり
健気に咲く花に目が届かない

大人になったら 夢見続けること
いつしかどうせってあきらめていく
大人になったら いい人になる努力が
楽に生きていく努力に変わるの

大人になったら  誰かの心に
触りたくても触れなくなるの
大人になったら 欲しいもの欲しいと
すぐ言葉にしては大人げないの

大人になったら とても泣きたくても
こらえておまけに笑ってたりする
大人になったら
何だって出来ると
ずっとすごくすごく憧れてた

私 いつ大人になっていったんだろう
私はなぜ大人になりきれなかったんだろう

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