完璧世界症候群_ザナドゥ（創作）

シーン1 敦盛のマンション夜

敦盛は浴室からでてくるなり、バスタオルをまいて、スマホゲームをやっている

望海、聞いて！今日、ムカつくことがあったの。

敦盛はゲームに夢中であり声だけだしている。

敦盛、んー

望海、レジに人がたくさん列んでいるときに、人が多すぎる！入場制限しろ！っていいがかりいってきた奴がいて！

敦盛、んー

望海、混んでいるとこが、嫌ならすいてるスーパーにいけばいいのに！

敦盛、んー

望海、結局、ずっと騒いでいるから、代表よんで別のところに連れていってもらったわ。迷惑ったらないわ。ほんといらつくわ。こっちだって気をすり減らして大変だってのに。

敦盛、んー。

望海、ちょっと聞いてるの？人が真面目に話しているときに！

敦盛、あっ？何？うるさいな。ミスっちゃったじゃないか。

望海、話してる時はゲーム辞めてよ。服も着ないで何やってんのよ！

敦盛、うるさいな。どうでもいいような話じゃないか

望海、どうでもいいじゃない！人が苦しんで働いているのに。

敦盛、苦しんでいるなら辞めればいいじゃないか

望海、生活どうすんのよ！奏の塾代あたしが払ってんのよ！

敦盛、やめちまえよ。そんなもん。好きなもんで仕事しなきゃ意味がない

望海、いいわね。あんたは。好きなゲーム会社で働けて。ほとんどの人は好きじゃない仕事やってんの！

敦盛、ああ、うるさい。ゲームできない

望海、奏！あんたも踊ってないで勉強しなさい。

奏、8時になったらっていったじゃん

望海、どっちみても！ああ！もう！

敦盛、これからの時代は、好きなもので生きていくんだよ

望海、あんたも仕事でゲームやって、家でもやれるわね。飽きないの？呆れるわ

敦盛、んー。

望海、とりあえず服きてよ！

敦盛、わかったよ。うるさいな。

敦盛は自分の部屋にいき、パジャマをきる。

敦盛、服きたぞ。これでいいんだろ？

望海、いいだろじゃなくてそれが常識なの！奏もいるのにみっともない！

敦盛、はいはい。あー、ずっと好きなことだけやっていたい。へんなぐちを聞かされるとか邪魔だよ。

望海、ゴチャゴチャいわないでよ。あたしは話きいてほしいだけなのに。

敦盛、あーあ。それが邪魔。ハワイみたいなパラダイスで一年ぐらい食べて、ゲームするだけの生活してみたい

望海、アホじゃないの？とりあえずベランダにある洗濯物とりこんでくれる？

敦盛、えっ？なんで俺が？奏にやらせりゃいいじゃん

奏、奏はお風呂掃除したよ

望海、私は皿洗いしたの！皆分担！

敦盛、ちぇ。やりゃいいんだろ。取り込むだけだぞ。

敦盛はベランダにでる。

敦盛、湯冷めしちまうよ。ん？あれは？扉？ノブとかこのマンションあったっけ？

敦盛は扉に近づく。とびらが光始める。

敦盛、なんだ？

敦盛は扉を開ける

シーン2バラダイスA

敦盛、なんだここは？

敦盛はパーティールームであることを認識する。周りにはブッフェスタイルの食べ物、そして、ゲーム機器がたくさんおいてある透明の丸い筒を見つける。筒に自由にお取りくださいとある。

敦盛、うわ、これ欲しがったやつじゃん！

敦盛はゲーム器をとる

敦盛、うお、すげー。あそこが扉あいてる、え？扉の先がビーチ？

ビーチソファがみえる。

敦盛、あそこに寝ながら、ゲームしよう。

敦盛は横たわりゲームする

敦盛、せっかくだからオンラインゲーム、この娘かわいいから繋がろう

しばらくして女性がとなりのビーチソファに座る。

敦盛、ん？誰？

りさ、そのギャルゲーの、りさっぺだよ。

敦盛、え？まじか？か、かわいい。

りさ、趣味あうね。ゲームしながら話しよ。

敦盛、あ、ああ、いいの？

りさ、いいよ。

敦盛、ごめん。俺、ここがどこだかわからなくてさ

りさ、ここは、ゲーム好きな人のパラダイスÁの場所だよ。

敦盛、パラダイスÁ？どうやって俺はここにきた？扉を開いたとこまでは覚えているけど。

りさ、そういう欲望あったでしょ？だからこれたんだよ。

敦盛、おー。確かに欲望はあった。ハワイみたいなビーチで寝そべりながらゲーム三昧。仕事もしたくない

りさ、ここは仕事しなくていいんだよ。

敦盛、え？なんで？

りさ、手首にバールの輪っかあるでしょ。これがある間はそこの部屋にあるブッフェ、食べたいもの食べたらいいんだよ。

敦盛、そうなのか？そいつはいいや。でもここは人が少ないな。二人だけか？

りさ、パラダイスÁはオンラインで繋がった人だけ見えるのよ。ひとりでやりたいひともいるでしょ。わずわらしいと思う人もいるでしょ。だから見えないの

敦盛、ファンタジーな世界だ！まさにゲームの世界にいるみたいだ！まさにパラダイス！

りさ、私も最近きたのよ。で、あるひとと繫がって。その人がいろいろ教えてくれた。

敦盛、今はその人は？

りさ、ゲーム飽きたってねオンライン辞めたの。そしてあなたがきたの

敦盛、おお、いいな。楽しもうぜ。

りさ、このゲームいいよね

敦盛、あ、俺、マスクしてない。

りさ、マスク？

敦盛、東京は外にでたらマスク。

りさ、ここはパラダイスÁだよ。そんなのいらないし

敦盛、おお！そうだった！俺にもパラダイスÁのこと教えてくれよ

りさ、パラダイスÁは働かなくていいの。食べて、ゲームして、食べてゲームして

敦盛、だけど、料理作っているひとはいるよな？

りさ、いないよ。パラダイスÁでは、食べたいものイメージしたら、即、料理ができあがるよ。自動でね。

敦盛、すげえ。

りさ、あと眠くならないから。食べて、ゲームだけ。どうしても寝たかったら、パラダイスBにいけばいいわ。でもここでは睡眠欲は生まれない場所よ

敦盛、そうなんだ。寝るのも面倒くさかったからちょうどいいや

りさ、Hしたい人はパラダイスCね。まあ、そういう人は最初からパラダイスCにいるけど。

敦盛、なるほど。用途によって、その世界にいけばいいんだな？用途は3つだけか？

りさ、人がなにかしたいと思ったときにそのパラダイスは生まれるの。欲望をもって扉へ向かったらその世界にいくのよ

敦盛、すごい！なんかゲームクリエーターが作ったような世界観だな。まさに、ファンタジーな世界

りさ、このパラダイスは、ゲーム好きな人が作ったと前の人はいってたわあ、今、なんか飲みたいと思ったでしょ。それは何？マンゴジュースかな？

敦盛、おお！すげえ。ちょうどハワイな気分で飲みたかったところだ

りさ、ここはパラダイスAだから、自分がしたい世界をカスタマイズできるよ。まあ、ゲームを作るようにね。

敦盛、まさに、俺が作ってたゲームだ。パラダイスメーカーってやつだけどね

りさ、いいじゃない。やっちゃえ！

敦盛、ブッフェもいいけどなんかとりにいくの面倒だな。食べたいのすぐ横にあればいいな

りさ、ローストビーフ！あたしも食べる！

敦盛、うまいねえ。最高級だね

りさ、すごくやわらかい。生のような食感

敦盛、ここは季節はあるのか？夏は暑い。ずっと22℃くらい。あと、そよ風

りさ、いいね。あたしも暑がりだし、そのくらいが。

敦盛、あと、夜はいらないな。ちょうど15時半のまま

りさ、いいね。その調子！

敦盛、あと景観も少し変えたいな。一週間おきに。

りさ、飽きないって大事だよね。

敦盛、あと音楽？俺の好きな声優さんの音楽を流して

りさ、なんて声優さん？

敦盛、エリトモさん

りさ、あたしも好き。ゲームにはかかせない人だよね

敦盛、ボーカルつき、ゲームミュージックの創始者だからね。

りさ、それからそれから？

敦盛、レベルアップ感が欲しいな。一日経つごとに、イケメンになって

りさ、あたしは絶世の美女

敦盛、そして、100日経ったら、不老不死の永遠の25歳だ。

りさ、永遠の25歳いいよね。私は20歳がいいかな

敦盛、君は20歳に設定しよう。

りさ、やった。

敦盛、さっ、設定はこのくらいかな。ギャルゲーで遊ぼう

りさ、まかせとけ！

3日後。敦盛は時計を見る

敦盛、あ、時間かわらないんだっけ。どのくらいやった。

りさ、3日だよ

敦盛、3日か。飽きたな。このギャルゲー

りさ、飽きた？ゲームはたくさんあるよ

敦盛、なんか、刺激がほしいよ。パターンが決まっているゲームよりも

りさ、じゃあ、これはどう？ネバーエンディングザナドゥ。このRPGはやったアクションによってその都度シナリオが変わっていくから、先も予想できないし攻略WEBもないのよ。主人公は諸葛孔明なみに天気操れるので、嵐をおこしたり地震おきさせたりできるし。飽きないよ！

敦盛、お、それはいいなあそれやろう！お、いいな、タイトルがいいなあ。ネバーエンディングザナドゥ！よし、はじめよう。

一週間後

敦盛、あ、目が痛いし、持つ手が痛いや

りさ、目痛いの？ゲーム機持ちたくないの？なら、カスタマイズすればいいじゃん、可能だよ。

敦盛、いやあ、なんか飽きたな。好きなことも、ずっとやると飽きるなあ

りさ、そう？あたしなんかこの世界に慣れちゃったからもう戻りたくないわ。

敦盛、こうやなことやった後のゲームの楽しさがないというか。精神安定剤の役割だったのがなくなったというか

りさ、ああ、でもやなことはやりたくないよね？

敦盛、洗濯物干したりとか、娘のへんなダンス見たりとか。ん？

りさ、どうしたん？

敦盛、望海、奏はどうした？

りさ、誰？

敦盛、俺の家族だよ。そうだ！家族をここに呼ぼう！

りさ、家族さんはゲームが死ぬほど好きなの？

敦盛、いや、そうではない

りさ、じゃ、無理ね。パラダイスAの唯一のルール。すごくゲームが好きなひとしかここには入れないの

敦盛、何故？

りさ、その人にとっては、パラダイスではないから。

敦盛、いや、俺はゲーム、死ぬほど好きだが、家族も好きなんだ。

りさ、もうそれ考えないで。あなたの手首のパールが薄くなっているわ。

敦盛、薄くなると何なんだ？

りさ、パラダイスAにいれなくなるのよ！

敦盛、楽園ってなんだろう。俺は金もちになって、家族でハワイでもいってそれぞれ楽しみを共有するんだ

りさ、辞めて！前のひともそんなこといって去っていったわ。あたしを一人にしないで！

敦盛、そういえばきみは誰だ？オンラインゲームを、オフでやってる認識しかない。

りさ、とにかく、ゲームやろう！

敦盛は立ち上がる。

敦盛、これが楽園ってのか？違う。これじゃない。これじゃないんだ！

敦盛は手首についてるパールをはずして地面に叩き割る。

りさ、いやああ！

敦盛は倒れる

シーン3 病室

敦盛はベットに横たわっていたが、ガバッと起きる奏が気づく

奏、動いた！起きた！

敦盛、あ？

奏、お母さん！お母さん！お父さん、復活した！

望海、え？え？あ？アツ！あなた体大丈夫なの？

敦盛、いや、ここは？病室？

望海、普通に話してるわ！よかった。よかった、心配したんだから。

奏、奇跡が起きた！よかった！

二人は泣く

敦盛、どうしたんだ？二人とも。いや、俺はどうやってパラダイスAから戻ったんだ？

奏、パラダイスA？

望海、夢でもみてたのかなあなたは、ベランダで倒れて、病院に運ばれたの。謎の植物人間状態だったの。

敦盛、植物人間？

望海、なんかあなたが倒れて、なぜか、いろんな人が同じように、ゲーム好きの人が突然植物人間状態になるという、謎の病気が多発してるの。いきなり復活するひともいるしそのままの人もいるって。

敦盛、そうか、りさっぺもそうなんだな。

望海、何？

敦盛、何でもない。

望海、とにかくよかった！よかった！

奏、しばらくゲームやらないで。あたしもやらない

敦盛、そうだな。なんでもそこそこがいい。あ、病院代どうした？あまり余裕ないはずだ。

望海、とりあえず、入院保険はいっていたから。

敦盛、俺頑張る。もう皆を泣かせない

奏、お父さん！

望海、よかった。