初恋に戻れたら(創作)

初恋に戻れたら(創作)

シーン1 愛理のアパート

愛理は吉信にスマホみせる

愛理、それであなたの誤爆ライン、美樹さんっての。 何?あなたと結婚するため にいろいろ準備してきたのに、無駄になったようね

吉信、いや、これは会社の 後輩で

愛理、会社の後輩に愛してる、なんて書くの?

吉信、ただのお世辞トークさ

愛理、はっ?あなた、誰にでも愛してる、なんていうの?それが許されるのは、 アイドルとかだけです

吉信、ほんの挨拶

愛理、女性の敵!挨拶でそんな言葉使われたらたまったもんじゃない

吉信、挨拶というか、なんていうか。

愛理、結局、よつまたとか やってるんでしょ!

吉信、やってないよ

愛理、あなたこういうのはじめてじゃないからね。前は無理やりおしきられた? とかいってたけど、私は真剣に悩んで、気持ち仕切り直しでやってきたのに

吉信、今回もそれでひとつ

愛理、はっ?あなた何いってるかわかってんの? 次はないわよ。あなたは結婚に向いてないわ。不倫し放題だわね。

吉信、誤解だよ。

愛理、誤解のしようもないわ。もう、全部、終わり。 あたしのアパートから出ていってください。すぐに。

吉信、なんでだよ

愛理、あなた生活費最近、 よこさないね。他の女と遊んでいるから?

吉信、それはない!

愛理、じゃ、通帳アプリみせて。

吉信、それはできない。

愛理、お金ないんでしょ? いいわ、もうでてって。今すぐ。この街から消えてください

吉信、ちょっと待てよ。俺住まいないんだぞ。実家に なんか帰れないし。だから 誤解だって。話し合おう

愛理、早くでてって!

愛理は吉信の胴体を押して 玄関先までいく

愛理、はやく消えて!

吉信、わかったよ!後悔するよ!愛理がすぐに。

愛理、とっとと消えて!

愛理は吉信を玄関から追い出し、鍵をしめる。玄関を ける音が一回なる。

愛理、はあー。終わった。私は後悔しない。よっしー が悪いのよ。

愛理は冷凍庫を開ける。

愛理、あたしの好きなアイスモナカない

シーン2 スーパー 昼間

愛理は冷凍品コーナを見ている。男が近づく

哲哉、間違っていたらすみません、目黒愛理さんですか?

愛理、あ、もしかして、てっつん?

哲哉、そうです。

愛理、10年ぶり?仙台から 戻ってきたの?

哲哉、最悪の人生さ。妻が 男つくって、逃げた。離婚の書類きたから書いて、はれてバツイチさ

愛理、そうなの

哲哉、初恋の君をひどくふった罰がきたのさ

愛理、あれは、もう忘れたわ

哲哉、僕は忘れられないさ。有頂天になって、のり でふってしまった。あの過去は消せない

愛理、中学2年生なんてそんなものじゃない?

哲哉、あのときみせた君の 涙が忘れられない

愛理、忘れなよ。いいよ、

哲哉、君は今、幸せかい?

愛理、いいえ。

哲哉、そうか、ごめん。

愛理、謝る必要ないわ。あたしも少しやけな気分なの アイスモナカをやけぐいしようと思って。うちによってかない?

哲哉、話しに付き合うよ。 アイスモナカも奢るよ

愛理、てっつんは、私をふってから、優しくなったね

哲哉、痛みに気づいたのさ

シーン3 愛理のアパート

愛理、あたしもさっきまで ここにどうしようもない男がいたのよ。追い出したけどね

哲哉、なんで追い出したか 聞いてもいいのかな。

愛理、二股、三股、四股よ もう把握できないわ。

哲哉、そうか。お互い、よくないね。僕が不幸なのは いいけど、君が不幸なのは つらい。

愛理、ねえ、前からきこう と思ってたんだけど、私達 18歳から20歳ぐらいのとき よく偶然で会ってたよね

哲哉、そうだね。今はない 本屋とか、自転車通学中とか、電車とか

愛理、そのたびに、幸せ? とか、彼氏できた?とかいって、今日も同じようなこといって。

哲哉、幸せになってほしいから

愛理、何故かな?振ったから?きついこというようだけど、 自分自身が安心したいだけじゃない?負い目あるから。自己満。

哲哉、そうだよな。ごめん

愛理、いや、いいすぎた。 八つ当たりしてるかも。ごめん

哲哉、いや、そのとおりだよ。はい、アイスモナカ。

愛理、ありがとう。この、 アイスモナカ好きなの。板チョコはいってないやつ

愛理はアイスモナカを食べる

哲哉、あっ、昔のほんわか した表情に戻った。ちょっと嬉しい

愛理、ん?あ、そう?

哲哉、さっきまで目つきが 鋭い感じだった。

愛理、いいとしのとりかた してないな

哲哉、ほんわかした、感じが魅力的なんだ。

愛理、あたしをふったくせに。

哲哉、いや、それいわれちゃうと。

愛理、いいよ。忘れるよ

哲哉、僕はきみをのりでふってから、本当の恋の意味に気づいたんだ。あれから 自分を責め続けたよ。高校のとき大学のとき、恋人に傷つけるのが怖くて、いい 人ばかり演じてた。結果、 都合いい人になって振られたよ。罰を受けたんだ

愛理、罰を受けたとか思わないでいいんじゃない?

哲哉、自分なんて幸せになっちゃいけないんだ。君を 不幸にさせたから

愛理、だからいいのよ。過去のことは。さっきもいったように、まあいいです。 あなたこれまでの恋愛で、 浮気した?

哲哉、浮気なんて絶対できない。君を泣かしたことが トラウマになって。

愛理、なら許す。浮気する ヤツ大嫌い。もうトラウマとか振ったこと忘れていいよ

哲哉、なんで振ったんだろう。結構好きだったのに。

愛理、え?あ、あ、あなた 朋美が好きだったでしょ? あのとき

哲哉、そうだった。選べるとかいって有頂天だった 結局、朋美も他の人好きに なって終わったけど。

愛理、ねえ、これから母校の中学校いかない?なんか 今の自分が嫌いで、母校に いったらなんか思い出すかも。

哲哉、母校か。自分は辛いけど、君がよければ。

愛理、気分転換させて。てっつん

哲哉、はい

シーン4 中学校2Cの教室

愛理は教室を開ける

愛理、あー懐かしい。15年ぶり。

哲哉、そうだね

愛理、あたしは、一番前の 席、てっつんはその後ろの 席。

哲哉、そうだったっけ。

愛理、確か、2月。告白の頃

哲哉、そ、そうか。

愛理、まああたしはあの頃 あからさまだったからなあ 。給食のとき、必ず、てっつんの分、用意して机の上においた。 誰もが、あたしがてっつんの こと好きって知ってた

哲哉、あ、ああ。

愛理、そんなあたしをからかう人もいたけどあの頃、 あたしは平気だった。てっつんもまんざらじゃない顔してて

哲哉、あっ。あ、

愛理、そんなてっつんの顔みるだけであたしは満足だった。

哲哉、そ、そうなんだ。

愛理、後ろの黒板!

哲哉、え?

愛理、そう、後ろの黒板に 落書きして、

哲哉、え?今?

愛理、今じゃなくて、あの頃、あたし書いてたなと思って

哲哉、あ、そうだね

愛理、てっつんの似顔絵書いて、あたしの似顔絵書いて、 loveとか書いて。恥ずかしいことしてたな、あたし

哲哉、な、なあ、俺を責めてる?

愛理、ううん。14歳のあたしに会いにいってるだけ

愛理は窓あける。

愛理、てっつんはサッカー部だったよね。

哲哉、うん。

愛理、あたしは放課後、てっつんみるために、敢えて部活に入らず、ここから、 てっつんのゴールキーパーを見てたな

哲哉、あ、ああ

愛理、一途で純粋だったなあ。

愛理は窓を締めて、教室を でる。哲哉があとをついていく

哲哉、どこへ?

愛理、あの日に会いにいくの

愛理と哲哉は階段を登る

愛理、確かここ。あなたに チョコ渡して告白したとこ。そして、私の想いが散った場所

哲哉、な、なあ。

愛理、大丈夫。責めてない。心洗われたわ、どろどろしてる自分一度リセットするの

哲哉、わかった。今度は僕の番だ。

愛理、え?

哲哉、君のこと忘れたこと なかったよ。なぜだか、今までわからなかった。他の 人と結婚しても、君のこと が頭の隅にあった。確かに それは君を振った負い目かもしれない。けど今わかったよ。 14歳の僕は君が好きだったんだ。

愛理、え?でも振った

哲哉、君があからさまなアピールするから恥ずかしかったのかな。 今、気づいたよ。あのとき僕は君が好きだった

愛理、い、いまさら、あたしはあの失恋をバネに。

哲哉、僕は離婚した。今、 君の心がどこにあるかはわからない。だけど僕は14歳に戻りたいと思う。

愛理、えっ

哲哉、僕と付き合ってくれませんか。愛理さん

愛理は泣き出して哲哉にもたれる

愛理、あたしも14歳に戻ってもいいですか?

哲哉、一緒に戻ろうよ。あの頃へ。

愛理、浮気したら1人で、 逝ってよね

哲哉、ははは

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