脚本家 平松愛理
2013年作
脚本家 平松愛理
脚本家 平松愛理
SCENE 1 あるショッピングモール
明美: 見てみて!これ似合う?
愛理: いいんじゃない?それで?
明美: ええ?さっきもいったじゃん。
どっちがいいの?正直にいって。
愛理: ん~。どっちでもいいんじゃないかな?
明美: 愛理ちゃんってさ、そういうとこ男みたいだよね。
普通、どっち着るか、楽しんで迷うのにさあ。
愛理: ん?あたし、こるときはこるよ。でもそうじゃないとき
もある。ネイルは凝るよ。
明美: そうじゃなくて、服とか。こう凝るってないの?
こうなんか普通の女性と違うんだよな~
愛理: 服?仕事のときは頑張るよ。
明美: 頑張るって、よくわからない。
愛理ちゃんっていつも何考えてるの?
たまにわからないときあるよね。
こう服のFITを探す喜びとか、そういうのなさそうだし。
愛理: ん~。そうだなあ。
明美の携帯がなる。明美がとる
明美: もしもし、あ、雄二?どうしたん。
あ、明日?別にいいけど?え?ムーミンカフェ?
あんたそういう趣味?・・・え?ディズニーでもいい?
雄二さあ、もうデートとかいいからさ、貯金しなよ。
男は経済力。まず100万貯めて。
そして時々服を買ってね。パーティもたまにはいかせて。
・・もしもし。あ、あれ。切れた。
愛理: ああ~ふふっっ。ムーミンカフェ。
明美: むかつくなあ。あいつ。ムーミンカフェだって。
あいつはまず、経済力だろう?!
愛理: とかいっときながら、スマホのカバーディズニー。
明美: あいつが買ってくれたけど、なんかね、服と合わないんだよな。
これやめっかな。
愛理: ・・・ディズニー
明美: どったの?愛理ちゃん。
愛理: それは・・・シーのやつ・・。
明美: シーだけど、どうかした?
愛理: そうか!シーだ!それいい!
明美: は?これ気にいったの?
愛理: 明美ちゃん、気にいった服奢るから、ちょっと付き合って!
明美: 何?何?どうしたの?
服は自分が買うからいいけど、何付き合うの?
愛理: シーに行く。
明美: え?今から?もうすぐ5時だよ。
シー?!愛理ちゃん、ディズニーファンだっけ?
愛理: お願いがある~のよ~。ディズニーシーにいきたい私♪
明美: 歌ってる場合じゃないでしょ。今からって唐突すぎるっ。
今からいったら、アフター6パスポートになるよ。
アトラクションというより水上ショーがメインになるわよ
愛理: ん~ん~それで十分
明美: 十分って何?・・やっぱり愛理ちゃん、変わってる。
愛理: もし、無理なら1人でいくよ。
明美: なんかスイッチ入っちゃったのね。いいよ。
明日も休みだし、付き合うよ。
愛理: いいの?服選び?
明美: 明日また考える。シーなの?ランドじゃなくて?
愛理: ここは譲れない。シー。シーなの。
明美: 愛理ちゃん。ディズニーファンだっけ?
シーにこだわり?なんだろう。まあいいや。
いいよ。
明美は服おく。2人はエスカレータにのる
愛理は、スマホをいじる。
愛理: シーの事件、マイケルの薬
明美: なにいってんの?
愛理: あ、これ私の最近おお気に入りのアプリ。
思いついたことを、忘れないうちに
録音しておくのよ。
明美: 何のために?
愛理: 秘密♪
明美: よくわからないや。
愛理: ちょっと待って。シーのことよく書いてある本とかある?
明美: ガイドブックのこと?ん~もしかしたら
イクスピアリにあるんじゃない?
愛理: よし、まずイクスピアリだ。
明美: え?シーに直行じゃないの?
愛理: シーにまつわる情報がほしい。
明美: 何?なんでいきなりそんなになっちゃうの?
シーファンって前から云ってたらわかるけど。
愛理: シーファンしかわからない問題。
明美: よくわからないけど、今から、舞浜には17:30になるよ
イクスピアリよってたら18:00ジャストには入れないよ。
愛理: ん?6時以降ならどうでもいい。
明美: よくわからないけど、まあいいわ。
SCENE 2 イクスピアリ書店
愛理: ・・・ない。これじゃない。
明美: あるじゃん。ガイド本でしょ?
愛理: これじゃない。これじゃなくて。
愛理は店員さんを呼ぶ
愛理: すみませ~ん。ディズニーシーのクイズ本あります?
明美: クイズ?ガイドブックじゃなくて?!
店員: クイズ本。あ、それなら、ここしかないですけど
愛理: ん?ちょっと見ていいですか?
店員: いいですよ。
愛理: んんん!これ!ぴったり!これ買います。
明美: えええ?そんなクイズ本買ってどうするの?
店員: 1260円になります。
明美: いいの?本当にそれで。
愛理: あたしにとっては5000円の価値はある。
明美: 意味わかんない。
愛理は購入する。
明美: 見せて、ちょっと。
ブラザー・ベアは映画が途中でどうかわる?
これ興味あんの?
愛理: あああ~いい感じ!
明美: さっきの愛理ちゃんと別人。なんで?
やっぱあなた変わっている。
愛理: あ~、あのさ、ディズニーといったら何思い浮かべる?
明美: 雄二は確か、フィルコリンズとかいってたなあ。
ターザンとか、その今出てたブラザーベアとか、
主題歌で有名だっていってたよ。
愛理: そこくるかあ~。~見えてきたぞ~見えてきたぞ~。
明美: 何が見えんの?まあその不思議なところが
私は興味あるんだけどね。
愛理: よし、いくぞ~、いざシーに!
SCENE 3 ディズニーシー
愛理: どこ、どこ、どこにある?
明美: 何?何か探しているの?
愛理: あった!舞台はあそこだ!
明美: あそこがどうしたの?ただの観覧席エリアじゃない。
愛理: ここしかない。救護室はどこにある?
明美: 救護室?調子悪いの?
愛理: 地図ある?
明美: えっと、マップは・・。
愛理: いいや、訊いちゃったほうが早い。
すみませ~ん。この付近に救護室ってありますか?
クルー: あ、この後ろの、あそこです。見えますか。
愛理: ありがとうございます。
クルー: 調子悪いのですか?付き添いますよ。
愛理: あ、大丈夫、90のおばあちゃんくるんで、確かめただけ
クルー: そうでしたか。それではシーをお楽しみください。
明美: 90のおばあちゃんって誰よ?
愛理: そういわないと連れていかれちゃうから
明美: 調子悪いんじゃないの?
愛理: そこまで救護室の詳細はいらない。
明美: あ~ついていけない。暑いから座るわ。
愛理: あたしは燃えているから暑いよ。んっ、暑い?
暑いといえば、汗。
汗かくからビール。ビールと、
明美: なにぶつくさいってんのよ。あ~あれ
YOSHIKIに似てない?サングラスかけちゃって。
愛理: YOSHIKI。ん~。男装も女装もできる。
明美: ねえいいかげん教えて?何やってんの?
愛理: 完成したら、一番最初に見せる。
明美: あ~。わかった。なんか妄想してんのね。
妄想はあたしといるときだけにしてよ。
他から見たらただの変人だからね。
愛理: 作家はみな変人だよ。
明美: あなたは作家じゃないでしょ?
愛理: ん~
明美: あ、アリスがいるよ。あそこに。撮ってもらう?
愛理: それは関係ないかなあ。ねえ、キャラクターの中で
2人兄弟っていったら?
明美: その本に載ってるんじゃない?
あ、載ってないか、問題がやさしすぎる。
チップとテールだよ。
愛理: チップとテール。問題がやさしすぎる。
じゃ難しくしちゃう。
明美: 何?まあいいや、ポップコーンでも買ってくるね。
くしゅん。
愛理: ん!見えた!全部見えた!
明美: はいはい。
愛理: もうイメージングはできたから、もういいや。
まだ帰らないよね。
明美: はっ?!さすがにそれは嫌。3000円以上出したんだから
ショーはさすがに見てくわよ!
愛理: ん~ん~。あたし、ちょっとここでまとめとくから、
買い物とかしてていいよ。ここでもショー見れるでしょ?
明美: お土産はいいの?
愛理: ・・いいな、いらないな。そんなシーン必要ない。
明美: ふ~ん。じゃあ、お土産いってるわ。
その妄想とやら、見せてよね。ちゃんと。
じゃないと、次は一緒に過ごさないから
愛理: わかってるって。
SCENE 4 ムーミンカフェ
クルー: お待たせしました。ムーミンカフェにようこそ~
愛理: ああ~いい、なりきってる。
明美: これよ。ムーミンがいるから和むね。
愛理: ああ~これもなりきり、女優だね。
明美: 女優じゃなくてムーミンでしょ?!
愛理: そうだった。
明美: そうそう、読んだよ~。あの古畑の二次創作。
愛理: どうだった?
明美: あんなこと考えていたなんて、びっくり。
変人だけある。
愛理: 変人かなあ~。変人か。まあ、詞を創るときも
映画みたり、自分で行って演じてみたり
やってることはあまり変わらないけど。
明美: 視点が全然違うね。今度、私の主演でなんか書いてよ。
すっごいかっこいいやつ。
愛理: かっこいい・・。どうかなあ。
明美: あたし主演で、かっこいい男が私をゲット。
愛理: 明美ちゃんも妄想するんだあ
明美: 妄想じゃなくてこれは夢なの。一緒にしないでよ。
愛理: ふふっ。